著者の紹介には、肩書きが書いてありません。ただ、どういう指向性を持ち、どういう生活をしているのかだけが書かれています。しかし、本書の内容を見れば、いわゆる「料理研究家」にはない視点で日々の料理が作られていて、終わりのページまで、びっちりと使えるものばかりです。
無駄がないのに豊かな感じがする、“プロ”ではないゆえに、小技が効いて、食生活の細かなところまで神経がよく行き届いている。ただ作った料理が並べてあるだけでなく、そういう材料をどう使うのか、どういう点がおいしいのかが、ちゃんと説明されている。
実際、梅干しはつけても、その梅酢をどうする? 毎日の野菜サラダはいいけど、飽きてくる。こないだの中国旅行で買った紹興酒は棚に載ったまま……というような、個人的でひそやかな、「なにかに使えないかな〜?」的な状況が、本書を見ると、わりあい簡単にヒントが見つかる。そうか、こんな使い方もあったんだ。それが、わざと奇をてらったというものではなくて、ナチュラルに、ヘルシーに生きたい人に、納得がいくものばかり。
飽食生活には飽き飽きした向きには、ぜひ、本書で生活を一新することをおすすめします。
玄米に合う料理が紹介されていますが、もちろん玄米食でなくても使えます。しかし本書を読めば、自然と玄米が食べたくなってしまうでしょう。マグロどんぶりを、玄米で作る点に工夫を凝らしているなど、玄米がかなりとっつきやすくなる点も、ほかの玄米料理本と比べ、好ましいと思いました。