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野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ (講談社現代新書)
 
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野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ (講談社現代新書) [新書]

管 啓次郎 , 小池 桂一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

アメリカ・インディアンの豊かで普遍的な宇宙観を読売文学賞(随筆・紀行賞)の管啓次郎が生き生きと描く。さらに創世神話をもとにした、鬼才・小池桂一の書き下ろし漫画も収録!
私たち人間が、この地球の上で生きていくとはどういうことか。
「アメリカ・インディアンの社会では、一般に子供は非常に大切にされる。世代を超えて、太陽の照覧のもとにこの地上での人生を歩んでゆく共同体の、これからの担い手として。子供は成長とともに大きな責任を負うだろう。だったらその子に、いま大人である者たちが大きな責任を負うのも当然だ。祖母とオバたちのこの祈りとともに、太陽の道を歩みはじめた子供が、土地に住みこみ、土地に正当な感謝をささげながら生きてきた人々の、明日を担う。太陽に迎えられ、太陽にみちびかれ、太陽をめざしながら、子は成長してゆくだろう。そしてかれらの土地から遠く、ここ、われわれの島われわれの土地に暮らすわれわれも、はじまりにおいては、そのような者だったはずなのだ」──本文より 

著者について

管 啓次郎
(すが けいじろう)
一九五八年生まれ。詩人、比較文学者。ワシントン大学(シアトル)博士論文提出資格取得。現在、明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系教授。著書に『コヨーテ読書』(青土社)、『オムニフォン』(岩波書店)、『本は読めないものだから心配するな』(左右社)、『斜線の旅』(インスクリプト、第六十二回読売文学賞)など。翻訳にコンデ『生命の樹』(平凡社)、ベンダー『燃えるスカートの少女』(角川書店)などがある。
小池 桂一
(こいけ けいいち)
一九六〇年生まれ。漫画家。一九七六年、デビュー作「ウラシマ」で第十二回手塚賞受賞(当時史上最年少)。作品に『SPINOZA』(作品社)、『かたじけない』〔原作・神崎夢現〕『G』『ヘヴンズドア』『ウルトラヘヴン』(いずれもエンターブレイン)などがある。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/5/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062881071
  • ISBN-13: 978-4062881074
  • 発売日: 2011/5/18
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By TaroP
形式:新書
原発事故のあと、私たちは自らの生きる土地と世界をどのように再想像すべきなのか? 『野生哲学』はそのためのヒントを与えてくれる。「都市」に生きるわれわれが失ったものは何なのか? 見えなくなったものは何なのか? 感じられなくなったのは何なのか? 都市の価値観が削除したものは何なのか? 本書を読むにつれてそうした一連の問いが切実なものとして浮上してくるだろう。アメリカ合衆国という土地の古い地層を形成するアメリカ・インディアンの文化を辿る旅は、単なる民族誌的興味を満足させるものではない。それは現代人が今こそ再開発すべき「野生の思考」への誘いである。大地、動物、植物、太陽をめぐる彼らの思考は、人間が自然の一部であるという自明ではあるが余りにも忘却された真実を強烈に思い出させてくれる。筆者の対象との距離の取り方がとてもいい。そして小池桂一によるナバホ創世神話の劇画は心の奥まですうっと入って来る。私たちは謙虚になるべきなのだ。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nacamici トップ1000レビュアー
形式:新書
第1章、第2章の「土地」にまつわる著者の指摘は時宜を得たものだと思う。

「自分を物質的に日々作り出し変えつつある水や食物の流通、空気や光の回路、周囲の動植物や土壌、さらには観念と情動に多大な影響をおよぼさないはずがない風景や気候といったさまざまな要素について、われわれは何もしらないのだ」

「われわれは自分が口にする肉の由来を知らず、肉のために祈らず、自分自身の肉がどのように構成されているのかも知らない。そしてこの無知に対して、気持ち悪さを感じることすら、久しい前からなくなっている」

まさに私たちは3.11とそれに続く原発事故、そして同時期に起こった牛肉食中毒事件などを通して、「水や食物の流通、空気や光の回路」についていかに何も知らなかったかを思い知らされた。そして放射能汚染された水や野菜が現実のものとなってはじめて言いようのない気持ちの悪さを感じた。本書によれば、イロクォイ族では、部族の会議で何かを決めるとき、その決定が「七世代にわたっておよぼすことになる影響をよく考えなくてはならない」と誓い合うという。われわれが未来を考えるといってもせいぜい「子や孫のため」というイメージしかないのではないか。七世代後といえば自分の子孫というよりも人類の子孫を考える感覚だ。自然を畏怖し、感謝する。生まれ、産み、育て、死ぬ。「地に足のついた」暮らしはむやみな成長を追わず、調和に価値を置く。地球物理学者の寺田寅彦は、文明が進むほど天然の暴威をふるう災害は激烈の度を増すと言ったが、都市化により野性を失った私たちの生活は、快適さとひきかえに、致命的な脆弱さを余儀なくされた。

第3章以降は、断片的な神話の読み解きが延々と続く。できればメタ神話的な話にまで掘り下げてほしかった。
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