巨人のエースとして活躍し、大リーグ入りも果たした筆者の
日本野球改革への情熱が伝わる対談だ。
根性や暴力が幅を利かせるアマチュア野球の指導
に疑問を呈し、野球を楽しみ十分な休養を取る
バランスのよい指導を提案する。
「体の正面で捕球する」など決まり文句に頼らず、
人体の構造や動きを正確に捉え説明する指導も説く。
だが、単なる日本野球への冷笑でこの本は終わらない。
薬物の蔓延など大リーガーたちの素行の悪さや、
姑息なプレイを米国仕込みと持て囃す風潮を嫌う筆者は、
礼儀や精神の鍛錬を重んじる日本野球の良さもしっかり認める。
「真っ赤に燃える王者のしるし」を実際につかんだ筆者が
「血の汗流せ、涙を拭くな」を、なぜ、どう変えるべきかを
語る意味は大きい。日本に新しい野球道を創ろうとする
筆者から目が離せなくなった。