本書はベースボールの誕生とニューヨークの歴史を重ねて、
広い知識と詳細な調査活動から、「黒い球運」の運命に至る
経緯を詳細に記述している。
著者・佐山和夫氏の米国メジャーリーグに対する深い敬愛
は、計り知れないのだ。
ベースボールは、ホーボーケンで産声を上げ、ブルックリン
で観衆の支持を受け、商業路線を確立した。また、トロイで
は、より政治色が濃くなり、移民経営者による組織的な
「黒い疑惑」が浮上するのだ。
1919年のワールドシリーズでののブラック・ソックス事件では、
純粋であるべきスポーツ界を根底から覆すスキャンダルが発覚
するのである。
著者・佐山和夫氏は、「黒い疑惑」排除に尽くした、縁の下
の功労者・新聞記者ヘンリー・チャドウィックや、「サンデー
・ベースボール」を定着させた印刷業・チャールズ・エベッ
ツを紹介しているのだ。深いベースボールの歴史に、改めて
ため息がでる思いである。
日本人プロ野球選手も憧れるメジャーリーグ。人々に夢や希望
をを与える「ベースボール」の異なる一面を知る事で、また、
野球の楽しみが増えたと実感できる、良書と言える。