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だが、哀しいことにその明晰な分析をもって「知識人」を論破し、
恐らく自覚はあるのであろうが(無自覚かも)「無頼」を気取っていることが
「逆説的」に彼自身の「脆弱な自意識」をありありと露呈させてしまっている。
「真ちゃん、無理して粋がって生きててつらくないか?」
と思わず突っ込んでしまいそうな対談ばかりである。
読了後は、人間としての宮台真司の実在が読者の脳内に浮かび上がってくる。
彼の活動の動機付けの大元を垣間見ることができる。
「宮台真司」入門書として最良である。
内容的には、対談相手もバラエティに富んでて充実感ありました。でも江川達也や香山リカや田中康夫みたいな仲間同士でウナヅキ合ってるような対談より、田原総一郎や寺脇研みたいに意見(立場)の違いが際立つような対談の方が面白いね。なかでも宮崎緑の大ボケとも言えるストレートなツッコミにはかえって好感が持てましたよ。あと小室直樹との師弟対談も濃かったなあ。マゾ男優の観念絵夢氏の発言はぶっ飛び過ぎてて殆ど理解不能でした。
この種の非難は大して意味はない。文庫版のあとがきにおいて著者自身、「学問的な問題設定を徹底的に極めたものが、事実上存在する学会的な対象領域を超えて、そのつど与えられる極めて多様な諸問題について思考できるようになる」というスタンスを明らかにしている。自分がたまたま学んでいるディシプリンで、あらゆる対象を徹底的に考え抜くこと。ものを考えるにあたり、とかく陥りがちなシニシズムを回避するヒントを私はここに見出す。
書を読んだ副産物は、著者の「師」の一人小室直樹の言説が意外に(笑)読むに足りうるものだったということ。小室はミクロ経済学での長期均衡は資本家が破産して労働者が餓死する状態―というサムエルソンの計算結果を引き合いに出す。そこで著者はこう応える。「学問はラディカル。19世紀ですでに、社会がまともなら人々が幸せになれるという思想は相対化されている」と。
思考を触発する対談の好例といえる。
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