チャック・ノリスのフィルモグラフィーのなかでは、「テキサスSWAT」に次いで好きな作品。
いつもノリスが演じるヒーロー像というのは、素朴だがクールだ。酒にも煙草にも車にもこだわらず、女好きとも程遠い。
しかし、ただただ悪を葬るだけの三流ヒーローとは違い、かといって人情・慈愛の匂いがキツくてカタルシスに乏しいヒーローとも違う。
下手な“飾り”を削ぎ落とし、寡黙でありながら確固たる独自の美意識を持つアクション・ヒーローといえる。
そんなノリスだからこそ、「野獣捜査線」の孤立無援で硬派な役どころはハマリすぎで素晴らしい。
基本的にハードボイルドなキャラのノリスだが、大々的にハードボイルド・アクションという振れ込みがあるのは本作ぐらいだろうか。
比較的人気がある「デルタ・フォース」や「地獄のコマンド」は何だか話がゴチャゴチャしていて、味方・悪役問わず登場人物も無駄に多く、お祭り騒ぎのようでノリス本来の持ち味は失われている。
ノリス主演作に限らず80年代のアメリカのB級映画には、結構隠れた名作が多い。ほとんどDVD化されていないのが惜しまれる。まあ、そういった映画をDVDにしたところで、売れ行きが悪いのは間違いないが(笑)。