今までは何の疑問もなく楽しんで読むことができていたのだが…
どうも今回ばかりは,非常にすっきりしない。
父親とエレオノーラとの戦いの展開は,非常に面白かった。
そういう方向に持って行くとは流石だとしか言いようがない。
だが,問題は兄ジェラルド。
今回は,苦悩はしているが,何の行動もしないただの傍観者そのものだった。
そこまで追い込まれた妹の事情も,本当の気持ちも知らず,また知ろうともせずに結果だけ見て,妹と対峙したり去って行ったりする。
妹を思いやっているくせに,ただの一度も,仲介に入ることも手助けをすることも,話さえもすることなく,推測だけで相手の意を考えて,それ以上は結局何もしない。
兄とはそういうものなのか? 兄と妹なのに?
せめて去る前に話くらい,と思った人も多いのではないだろうか。
ジェラルドは,本来そういう人物ではないはずなので,これは非常にすっきりしない。
多分,今後のストーリーの都合上,こういう結果が最初に出来上がっていたのだろうとは思うが,必然・自然な流れが田中先生の持ち味なのだから,そこまでストーリーを深めて欲しかったと思う。