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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
既存の伝記では抜けている野口英世の南米での活躍を描いた良書,
By jinchoku (つくば市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 野口英世 知られざる軌跡―メリー・ロレッタ・ダージスとの出会い (単行本)
野口英世といえば立志伝中の存在ですが、彼の南米での活躍やその妻・メリーについては意外と知られていません。著者・山本厚子女史はスペイン語通訳としてラテンアメリカで幅広く活動されている方で、エクアドルにおいて野口英世が国民的英雄であるという事実を知り、南米での野口英世の軌跡に関心を持たれたそうです。プロローグ(P. 1)前に掲載された「野口英世の足跡」に示された北米、南米、欧州、アフリカ諸国、日本、中国の野口ゆかりの都市数の多さとそれを丹念に辿った著者の取材量に頭が下がります。そのお陰で、既存の伝記では伝えられていない生身の野口英世に触れることができます。野口英世は例のほとんど睡眠を取らない「人間ダイナモ」式で、各地で熱帯病原菌を同定する膨大な研究を行いましたが、それを支えたエベリン・バトラー・ティルデンやイスラエル・ジャコブ・クリーグラー博士等の優秀な助手の存在は知られていません。顕微鏡による病原菌の同定作業を野口自身が行っていたことは事実ですが、「ノグチ先生は日本人らしい几帳面な性格ではなく、実験器具の取り扱い方なども不注意だった(P. 252)」そうで、献身的な助手なければ野口の業績もここまでではなかったでしょう。 野口の妻・メリーは既存の伝記中では貞淑で献身的な妻とされていますが、野口は勤務先のロックフェラー医学研究所や在米邦人、日本の家族にも秘密にしていました。これはメリーが貧しい日雇い労働者の娘で研究への理解に乏しく、大酒飲み(研究所はパーティーでも酒類がでなかった)が原因のようです。しかし、研究を優先し、けして家庭的ではない野口がアフリカへ渡ってからの彼女に対する態度の変化は、野口の生の声を伝えていて新鮮でした。 既存の伝記では抜け落ちている野口英世を伝える良書です。ぜひ、一読をお勧めします。
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