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重い障害を生きるということ (岩波新書)
 
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重い障害を生きるということ (岩波新書) [新書]

高谷 清
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

曲がった手足は意志とは無関係に緊張し、呼吸も思うにまかせない。はっきりした意識もないかに見える――こうした重い障害をもって生きる人がいる。彼らに世界はどう見えているのだろう。生きがいや喜びは何なのだろう。長年重症心身障害児施設に勤務する医師が、彼らの日常を細やかに捉え、人が生きるということ、その生を保障する社会について語る。

内容(「BOOK」データベースより)

曲がった手足は意志とは無関係に緊張し、呼吸も思うにまかせない。はっきりした意識もないかに見える―こうした心身に重い障害のある人たちは、世界をどう感じているのか。生きがいや喜びは何か。長年、重症心身障害児施設に勤務する医師が、この人たちの日常を細やかに捉え、人が生きるということ、その生を保障する社会について語る。

登録情報

  • 新書: 208ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/10/21)
  • ISBN-10: 400431335X
  • ISBN-13: 978-4004313359
  • 発売日: 2011/10/21
  • 商品の寸法: 18 x 10.8 x 1.3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By 革命人士 トップ500レビュアー
重度心身障害児療育施設を見学した石原都知事が「ああいう人って人格あるのかね」と発言して、「差別発言か」と物議になったことがあるが、芸術家として感受性が強いが故に、重度心身障害児の姿を見てショッキングだったのだと思う。私も本書で取り上げられる施設を見学したことがある。すえた臭い、唸りというか呻きのような声がやまない建物の中、一生身動きはもちろん、飲食も介助なしにはできないし体温調節もできない、自分が何者かもわからない子供たちがベッドやカーペットにたくさん横たわっていた。このような人生とはなんなのか。そして、生ける屍のように見える人生を肯定できるのか、突き詰めて言えば、自分が幸せかどうかを判断できないかも知れないし心身とも幸せな境遇と思えない彼らが生きている意味はあるのか、考え込んでしまった。今も重度心身障害のことを思い返す度に考えてしまう。たぶん一生忘れることができないだろう。

本書は療育施設の施設長を長年務めた小児科医による、重度心身障害児ケアの歴史である。しかし、長年施設長として重度障害児と接し続けた経験から、快不快の認識を多くの心身障害者が有しているといい、脳が損傷し意識の育たないはずの子も身動きできないがゆえに、経験のない環境を極度に嫌い、体調を悪化させ死に至ることもあるという。だから、「重度心身障害者にとっても安心できる環境は快適であり幸せであり、生きている喜びを持つ」として、重度心身障害児者のケアは必要であることを訴えている。私による本書理解だが、人類はいろいろな変わった個体を生み出しつつ変貌を遂げてきた。中には「障害」といわれる生命維持が不利な個体も作り出された。重度心身障害児者はそうした障害をたまたま引き受けることで、人類を支える「人類戦士」である、という著者の語る重度心身障害者の存在意義が印象に残った。

重度心身障害児者を目にすることはほとんどない。しかし、彼らと会うと「弱者を大切に」という薄っぺらな道徳文句が一度吹っ飛ぶほどの衝撃を受け、「生きる意義」まで考えてしまう。福祉の本である本書も、かなり生命倫理に足を突っ込んだ内容になっている。療育施設を訪れる機会も一般の人はあまり多くないだろう。しかし、本書を読み、可能なら一度は見学することを薦める。
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読んで欲しい 2012/5/23
小学生のとき同級生に障害者がいて、
よく理解しているつもりでしたが時が経ちすっかり何もかも忘れてしまったようなきがしました。
頭で理解していても少し離れれば忘れてしまうものです。
時折このような本に触れてみてもいいのではないでしょうか?
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
前書きとして、重い障がいをもって生きる人からの世界の見え方や、生きがいや喜びの探求について触れられていたので、同じような障がいのある方からのメッセージもあると期待していたので、少し期待はずれではあった。

ノーマライゼーションなる言葉をワザワザ用いずとも、どんな人であっても自己決定権の元に幸福や自己実現を追求できる社会を目指すというのは、至極当然の事なのだが、広汎性発達障がいなど新しく認識された例があり、「障がい者」の枠組みに入る方は約744万人となり、18〜64歳では約365万人(身体障がい者134万人、知的障がい者34万人、精神障がい者197万人(20歳〜64歳))っているが、先天的奇形児の出生率は、横浜市立大学の先天異常モニタリングセンター統計によれば、06年で1.8%であり、人口1億2805万人から考えれば、身体障がいだけでも1%とは少なすぎ、230万人となる。知的や精神障がいでは手帳の申請をしない人も身体障がいより更に多いので、何倍にもなろうし、欧州の1/8程度しか顕在化していないとの指摘もあるにもかかわらず、街で障がいのある方を見かける事は非常に少ない。

これは幼い頃から学校も別にする、「隔離政策のたまもの」なのだが、そのような現状で、重度障がいの方となると、殆どの人が会う事もないであろう。

であるなら、もっともっと当事者からのメッセージを含んで戴きたかったのだが、医療的観点からは満足する内容ではあるものの、主たる期待には届かなかった。

 医療的観点とは、脳にシワがない滑脳症や、脳幹部ですら中脳が一部欠損し、大・小脳はない重症心身障がい児の「喜ぶ姿」を引き出すケアであったり、快・不快についてだ。
 私も重度障がいのある方々のケアを行ったことがある(日常業務では、その方々が主たる患者さんではない)ので、彼たち・彼女たちが私に慣れてくれば、身体の緊張が和らいだり、喜んで頂いた経験を持つ。
 しかし、前述のような状態の脳で、同じような事や「喜び」が顕在化するとは、直接接する機会がなければ想像しがたく、勉強になった。

 
 今の社会は、年を追う毎に世知辛く、多くの人が自己利益のみに生きていかざるを得ないような働き方を強制させられているように思う。
 小さい・弱い者を蔑ろにするそんな社会は、必ず殆どの者を弱者として蔑ろにする。
 14年連続している自死者3万人やワーキングプアなどの例を出さずとも、それは理解されよう。

 そんな苦しい時代であるからこそ、立場の弱い人に目を向け、彼らと共に頑張ろうとの気持ちを沸き立たせるための参考図書として欲しい1冊である。

本書にもある「抱きしめてBIWAKO」は、87年11月8日、著者が勤める第一びわこ学園(重症心身障害児施設)を支援するための資金作りとしてはじめて実施され、琵琶湖一周235kmが、一つにつながった。
今年、11月6日に第2回目が水や命の大切さを考えるイベントとして行われ、約16万人が危険場所を除いた約170キロに整列し、正午の時報に合わせて一斉に手をつないだ。
当日は、雨模様もあって参加者が足りず、輪は数カ所で途切れたが、ほぼ成功した。

 次回がまた20年以上後になるのかどうかは不明だが、これを知ったのが、本書読後であったので、惜しくも参加できなかったのが残念・・・・ 
 
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