あとがきで編集長大竹氏が書いているいるように、中島らもさんと一緒に飲んでみたい、というような企画から立ち上がったような雑誌らしく、らもさんの「ええで」という返事からいよいよ雑誌をちゃんと作らないとまずいのだな、という事態に至ったというあたりも含めて「酒にまつわる失敗談やバカ話ばかりを集めたミニコミ誌」というコンセプトは素晴らしいと思います。
で、肝心の初回のインタビューなんですが、いまとなっては、きびしい内容なんですよ。らもさん自身が、あまりしゃべれなくなっているし、相当、編集の方で読めるようにしている、という努力がわかります(にしても、今流行の「せんべろ」という言葉は、らもさんが『オール讀物』に連載していた「中島らもと"せんべろ"探偵が行く」あたりからなのかな、とは思いました)。
でも、コンセプトの正しさは次の井崎脩五郎さんで報われる感じ。井崎さんは山口瞳さんや山本周五郎さんの文章で勉強したらしいというのが話の端々からうかがえて共感できますし、酒の上での失敗では、下ネタだけでなく、顔面制動の面白さも垣間見させてくれます。
次の蝶野正さんは、なんと大竹編集中の幼なじみ。有名なプロレスラーの酒にまつわるエピソードは驚き呆れるものばかり。高田渡さんが語っていた、元三井三池炭鉱労組の幹部だった人がやつていたという1串5円(後に値上がりして10円)の焼き鳥屋さんには一度でいいから行ってみたいです。