BSのTBSで今でも放送している、吉田類氏の「酒場放浪記」はお気に入りの番組。東京を中心に各地の酒場、それも高級なバーとかではなく、見た目はあまりキレイではないが、店主も常連客も温かい、いわゆる「大衆酒場」を紹介している番組で、あまり酒場を飲み歩くわけでもない私が観ても、吉田氏の洒脱で飄々とした飲み姿と酒場の雰囲気がよく伝わってきて、思わず飲みに行きたくなるほど面白い。
その吉田類氏が監修し、彼が主宰する自由酒場倶楽部なる団体が書いた酒場入門。
居酒屋ブーム、立ち飲みブームもあり、東京のおいしい居酒屋のガイドブックは巷に溢れているけど、この本は単なるガイドブックの域を超え、酒を呑むという行為自体の文化的な意味までを語る優れた酒に関するエッセイになっている。
東京の街と酒場の関係、永井荷風、中島らもなどの文化人と酒の関係、和歌や俳句、浮世絵など日本の伝統文化に表れる酒など、文化(酒?)の香り高い一冊だ。
もちろん、東京を中心とした居酒屋や立ち飲み屋の名店も紹介されている。酒飲みのアマチュアの自分には暖簾をくぐるのに勇気がいりそうだけど、いつか行ってみたい。