人類はその長い歴史においていろいろな種類の酒が生み出し、飲み、そして経験的に酒に合う食べ物を見出してきたわけですが、本書は酒とつまみの相性を、原料や化学成分にさかのぼって「科学的」に説明を試みた書です。
取り上げられる酒は、日本酒、焼酎、ワイン、ビール、ウィスキー、リキュール・スピリッツ。つまみは食肉類、魚介類、野菜類、乳製品、菓子類、穀類など幅広く取り上げられています。このような酒とつまみの原料や化学組成に加えて、醤油、味噌、ショウガ、ワサビ、コショウ、柑橘類などの調味料なども加味して酒とつまみの相性をやさしく説明しています。
例えば、魚介類と日本酒の相性が良いのは、「日本酒に含まれる各種の有機酸が、アルカリ性の魚の臭みの成分を中和すると同時に、揮発性のあるアルコールや各種の有機酸と、日本酒のアルコールからできたエステル類が、魚の臭みをマスキングしているから」ということです。
取り上げられている酒やつまみの種類が多岐に渡っているので、内容はどうしても広く浅くなってしまっていますが、酒好きの人にとっては、このような酒とつまみの相性の「科学的(と言うよりは「化学的」でしょうか)」根拠を幅広く知っていても損ではないでしょう。
ただし、楽しい酒の席でこのような知識を自慢げにひけらかすと座を白けさせてしまうことが多々ありますので、ウンチクを傾けるのもほどほどにしましょう。酒もウンチクも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。