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鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)
 
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鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書) [新書]

宮崎 正勝
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

十五世紀はじめ、宦官の鄭和は永楽帝の命を承け、二万七千名の乗組員からなる大艦隊をひきいて、七回にわたり南シナ海、ジャワ海、インド洋を結ぶ航海を行い、ダウ船・ジャング船交易圏を明帝国の政治的ネットワークに転換する試みに挑んだ。明帝国の農本主義と海禁政策を採りモンゴル帝国以来の海と陸の大ネットワークから帝国を切り離し、中華秩序の再建を策したのである。鄭和の事跡を永楽帝がめざす世界秩序再編の視点で捉える。

登録情報

  • 新書: 207ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1997/07)
  • ISBN-10: 4121013719
  • ISBN-13: 978-4121013712
  • 発売日: 1997/07
  • 商品の寸法: 17.5 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 鄭和の第一回航海から、今年でちょうど600年を数えます。報道によると中国では、国威発揚のため、彼と彼の偉業を顕彰する大々的なイベントが行われているのだそうです。
 本書はその鄭和による航海事業の概要を紹介するものですが、気が付いた特徴は以下の3点です。
 1 鄭和の遠征そのものを紹介するだけでなく、この事業の背景や意義の解説に力を入れています。すなわち、この遠征は永楽帝による中華国際秩序の回復運動の一環として実施されたものであり、さらに巨視的に言えば、大ユーラシア・ネットワーク活動の最後のきらめきとして捉えるべきと主張しています。
 2 航海事業そのものについても十分な解説が加えられており、当時の造船・航海技術、海図、艦隊・兵員構成など、他の概説書ではあまりお目にかからないような事柄が比較的詳細に取り上げられています。
 3 鄭和の生い立ちに関しては「敗戦で家を失った戦災孤児」という捉え方をしており、彼の活躍ぶりに対しては、比較的ウェットな暖かい眼差しが注がれています。

 この本、鄭和の活躍振りを題材としつつ、時間的にも空間的にも、とにかく壮大なスケールでユーラシア・ネットワークの興亡を描こうとするものと言えます。ところどころ、マニアックに思える部分がないでもありませんが、総じてメリハリも程よく効いており、良い出来栄えだと思いました。

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By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:新書
明朝の創業者にして古今無双の英雄、洪武帝の第四子として生まれ、北京周辺でモンゴルへの防備を担っていた燕王。側近に唆されて次々に兄弟の王たちを屠る二代建文帝の先手を取ってついに兵を挙げ、南京を占領。皇位を簒奪する。中国史上でも類のない軍人皇帝たる永楽帝の登場である。彼は「大中華帝国」を夢想し、自ら兵を率いモンゴルを五回も討ち、古来中国人を悩ませた遊牧民に対する備えを盤石にした。また大船団を派遣して西方世界へ中華の威風を轟かせることを企図した。帝の意向を一身に受けたのが、元朝期に渡来したイスラム教徒の子孫である鄭和である。この海の大遠征も桁外れで、巨大艦船と数万人に及ぶ派遣は七回にも及び、東南アジア、インド、ペルシャ、アラビア、そしてアフリカにまで到達した。この時代は中国人が最も膨張志向を持った頃だと云える。中国の卓越した造船技術、帝と足利義満との関係、南海遠征での様々な出来事などが記載された話題豊富な一冊。
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By カスタマー
形式:新書
中国・明の時代の国力が圧倒的なものであった事を当時の資料に基づいて解説している。

最近では、18世紀以前の世界においては中近東を含むアジアこそが先進地域であったという指摘がなされている。この本の題材となっている鄭和の大遠征も(やや時代は遡るが)その一つの証左とも言えるだろう。バスコ・ダ・ガマがようやくインドに辿り着いた時の人員はわずか170人、対して鄭和の遠征は2万7千人。この格差を考えれば、鄭和が欧州に足を踏み入れなかったのは、(技術的要因というよりも)当時、欧州が後進的で足を伸ばす価値もない地域と認識されていたという事が推測され得る。

この本は、当時の中国における背景や渡航の事実についても要領よくまとめられていて非常に読みやすかった。

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