水商売を教える都立商業高校というブッ飛んだ設定の下、そこに集う訳アリの生徒や教師のドタバタな学園生活をコメディタッチに、しかし現実の水商売のあり方等もバックボーンに添えて描かれる、異色のライトH系学園モノコミック第8巻。
今巻には、前々巻から続く長編エピソードの完結編と、短いながらまとまりの良い3本の短編が収録されています。
生徒会長・小田真理の退学問題に端を発した「渋谷編」は、田辺圭介、吉岡あかね、それぞれの過去の傷に微妙に触れつつ一応の大団円を迎えます。水商らしからぬバイオレンス展開も含んでいた今エピソードは、結局非常に水商らしいハッピーな展開で解決。ただ、それはあくまで生徒側についてのみであり、教師側の問題は継続となっています。上手く締めつつ先への含みを持たせた展開が好印象です。
短編1本目は矢倉校長の疑惑に端を発するエピソード。この作品、教師側のキャラクターが若造は若造なりに、プロはプロらしく、そして大人はしっかりとした大人として描かれている点が非常に気に入っているのですが、このエピソードは正にその典型ですね。
短編2本目はゲイバー科を舞台にした純愛モノ。コメディ仕立てにはなっていますが、実は結構奥の深い恋愛論が展開されています。かといって重い訳ではなく、特に恋の顛末は爆笑モノです。構成が巧みで、非常に切れのある短編という印象ですね。
短編3本目はホステス科ナンバーワン・山口麗羅の初登場となるエピソード。この後も様々な形で学園生活に波風を立ててくれる存在となる彼女の本質が、既に確立している点が非常に印象的ですね。たんなる脇役かと思いきや、しっかりといい男へ成長をしつつある長沢大地をはじめ、様々に入り乱れる「想いの一方通行」に新たなる一辺が追加され、更にカオスティックになる多角関係は、もはやラブコメのお約束ですね。
どのエピソードにも水商ならではの味があり、非常に楽しめました。