日本初、そして恐らく世界でも空前絶後であろう「水商売」を専門に教える公立商業高校・都立水商を舞台に、そこに集う生徒や教師達の人間模様と、「水商売を教える」というコンセプトを通して、水商売に関する蘊蓄や舞台裏等が楽しめる作品。
「水商売」を題材にしたコミックは青年漫画においては数多くありますが、「学校」を舞台に、主体は「高校生」、その道のプロが「講師」という設定の奇抜さがとにかく群を抜いていますね。ただ、決して奇抜な設定だけに頼った作品と言う訳でもなく、「水商売」を一般的な「商売」の一つとカテゴライズし、純粋に商売としての観点から成功のノウハウを描こうとしている点は評価できると思います。
ただ、あまりにも表の商売としての面が強調され過ぎ、水商売の抱える裏の部分、闇の部分等には「そういった現実を変えるためにある」という美麗字句の下、ほとんど触れられません。故に少々理想論的過ぎる所が鼻につく場面もありますが、あくまでフィクションとして楽しむ分には充分に練られた設定とストーリー、そしてキャラクターが揃っているコミックであると評価できると思います。
絵的には同一著者による「SALADA DAYS」から入ったファンにはかなり刺激的な描写が多いと思いますが、青年コミック誌に連載されている作品ですので止むを得ないところでしょう。著者の連載デビュー作「DRUM拳」を読めば、本来こういった作風の方が合っている気もしますし、本領を発揮していると言っても良いのではないでしょうか(笑)。
第1巻にしてメインキャラの性格付けとそれぞれの立ち位置、人間関係といった要素がほぼ出来上がっているのは、しっかりとした世界観が確立していることの証であり、この先も安心して楽しめるだけの内容が期待出来る作品ですね。最近の連載内容と読み比べてみても、基本的なコンセプトにほとんどブレが感じられない点は評価出来ると思いますよ。