タイトルの通り都知事の仕事、制度、そして「都制度」までを新書の体裁に合わせてまとめ上げた一冊。
都知事選の候補者選びで耳目を集めるタイミングのリリースは上手いですが、それ以上にしっかりとした
中身です(換言すれば、タイミングや売ることを主とした、雑な作りではないということ)。
都知事の権力の源泉が大統領制に近い仕組みにあること、そして何より1,300万人都民によって直接
選ばれるところにあると喝破しています。そこから戦後の都知事(6名)の業績や、その間の都政の変遷。
都知事の下で動く「都官僚17万人」の人事体系(例えば、既に一定の実力主義=採用時の入口が異なる
だけで能力さえあれば高卒だからと言って課長どまりにならない)も、しっかりと解説されています。
と、ここまでは過去と現状の話です。それだけでは無く、未来についても、つまり今後の都知事や都政は
何処へ向かうべきか?についても著者の私見を述べています。
ざっくり紹介すると、国には大都市経営という発想が無い。東京や大阪の様な大都市も、人口が数千の
町村も、基本的には同じ考え・発想で仕組み(ルール)を整えている、と。それでは今後は成り立たない。
収入源を法人2税(事業税と住民税)に頼るだけでは足元不安。特別区との関係を見直したうえで道州と
同格の「東京州」(都市州)を作る(地方分権の意味でも)べき、としてます。
首都の最高経営責任者と言っても過言ではない、他の知事より一歩抜きんでた(都市の規模が異なる故に)
都知事とは何なのか?その疑問に応えてくれる一冊です。
特に都民の方々は2011年4月に向けて一読して損は無い(既知の方除く)一冊だと思います。