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都市計画―利権の構図を超えて (岩波新書)
 
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都市計画―利権の構図を超えて (岩波新書) [新書]

五十嵐 敬喜 , 小川 明雄
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

住宅地に突然高いビルが建った.続いておこる日照の悪化,地価の高騰,住民の流出…….町の破壊は日々「合法的」に繰り返されている.都市計画のカラクリをときほぐすなかから見えてくる政官財癒着の構図,それに対する自治体の「反乱」を描き,町を市民の手に取り戻すための方策を示した本書は,日本社会の改造を迫る最も鋭い刃となろう.

内容(「BOOK」データベースより)

住宅地に突然高いビルが建った。続いておこる日照の悪化、地価の高騰、住民の流出…。町の破壊は日々「合法的」に繰り返されている。都市計画のカラクリをときほぐすなかから見えてくる政官財癒着の構図、それに対する自治体の「反乱」を描き、町を市民の手に取り戻すための方策を示した本書は、日本社会の改造を迫る最も鋭い刃となろう。

登録情報

  • 新書: 244ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1993/8/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4004302943
  • ISBN-13: 978-4004302940
  • 発売日: 1993/8/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 150,262位 (本のベストセラーを見る)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
怒り心頭 2002/5/14
形式:新書
 しばらくアメリカに住んだ弟が『帰ってくると町並みが揃ってなくて日本は汚くて』と言っていました。そりゃ日本はアジアだからさ、いくら先進国でもアジア的混乱を示してるんだよ、と混ぜ返してましたが、この本を読んで、それは私の考え違い、政治と行政がひどいせいだとようやくわかりました。

 日本の用途地域は入り組んだせせこましい設定が可能で、しかも中央官庁が全国一律に、ほぼ定期的に変更しています。規制緩和の美名の下に行われるのは、住民の知らないところで決められる容積率の増加。それは業者が売ることのできる地面を、タダで増やしてあげるのと同然。

 そしてその容積率の増加を享受できるのは、政官と結びつける巨大デベロッパーのみ。中曽根政権の時によく聞かされた民活とは、すなわち利権を増やすことだった......道理でバブルはあんなに建物も盛り上げたわよ。

 人里離れた場所に、異様な高層リゾートが建ったのも、山林・原野などの白地(しらぢ)地区は、なんと商業地域なみの容積率が認められているから。ああいった建物は、日本の国土保全の考え方がどんなにいい加減かを示すシンボルでした。

 住宅地に突然大きなマンションが建ち、自宅が日陰になってから抗議してもこの国では無駄。ずいぶん以前に用途地域は変更され、建築は適法だから。日照ばかりか、交通量の増加、地価の上昇、それによる税の負担増といった災難が降りかかるのを周辺の住民は甘受するしかない。

 国にこれを改善しようとする動きは未だになく、再び都心に高層ビルが増えています。高層マンションに憧れないでもなかったけれど、この本を読んではそんな気はなくなりました。乱雑で醜い日本の都市の姿は、利権を最優先し、国民をないがしろにしている政治そのものを写していました。

このレビューは参考になりましたか?
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
日照権問題等、住民側に立った都市計画や都市政策の法律分野の第1人者らが、現在の土地利用規制がなぜこうなってしまったかのいきさつや、現状の問題点などを分かりやすく解説する。

田中角栄の「日本列島改造論」が開発ブームと土地投機を引き起こし、二全総の目標をぶち壊したこと。オイルショック後の低成長期に大平総理の掲げた「田園都市構想」の流れもあり、1980年の都計法改正では地区計画等の規制誘導的、住民中心の都市計画制度が取り入れられるなど、一度葉“良好な都市環境を重視”した政策がとられたこと。しかし、その後の中曽根民活により、全てのベクトルが開発重視の方向に戻ってしまったこと等、都市計画は政治の産物!と痛感する。
また、都市計画は本来、市町村が地域の実情に!応じて行うべきもののはずなのに(都計法も表面的はそうなっている)、市町村の創意工夫の結晶であったはずの“宅地開発要綱”等がいかに“国に潰されていってしまったか?”等の検証も興味深い。

本書が世に出てから早10年。その間には地方分権一括法の施行もあり、法制度上は従来の“通達”は“技術的助言”に、“承認”は“同意”に変わったけれど、本質的な国と地方(あるいは都道府県と市町村)の関係についての意識改革や、住民の都市に対する意識は変化していないように思える今日この頃。打開策を著者らに聞いてみたい。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:新書
 政策政党に期待する、1944年生まれの弁護士と1938年生まれの朝日新聞社国際編集部編集委員が、55年体制崩壊直後の1993年に刊行した本。戦後自民党政府は、表向きは国土の均衡ある発展を掲げながら、実際にはマスタープランの無い乱開発、地価高騰、地域格差を政策的に誘導してきた。著者たちは、その原因を日本の複雑な都市法の中核である都市計画法の不備に求める。それは絶対的土地所有権、規制対象範囲の狭さ、用途地域・容積率規制の甘さ(しかも通達で自由に変更可能)、数値化できない基準の軽視、補助金と許認可権による国家主導性の強さ、メニュー追加方式という特徴を持ち、しかもその後の規制緩和でなし崩しにされている。それは自治体の大きな権限、住民参加の徹底と議会の関与、規制の厳格さといった点で、欧米の都市計画とは大きく異なる。著者たちはこの日本的特徴の背後に、政官財の構造的な癒着を見、これが汚職や談合、バブル経済をもたらし、日本の生活小国化をもたらした根源であるとする。これに対して、掛川市など乱開発にさらされた自治体は、事実上の罰則規定を伴う要綱、まちづくり条例などの独自ルールの設定で対抗し、社会党・社民連も独自の対案を提出したが、自民党政府はそれを国家高権論で封じようとしてきた。しかし1993年、建設会社の裏献金による金丸信の蓄財と脱税が発覚し、自民党一党支配が終焉したことに、著者たちは希望を見出し、具体的な法改正案を提言して筆を擱く。本書は戦後日本の構造的な病根と見られるものを正面から見据えながら、しかも具体的な事実と提言によって論を進めており、非常に説得的である。データ自体はすでに古くなっているものの、今なお参考になる本である。
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