この本の格調の高さは凄い。この本は日本の現状の都市問題をしっかりと多面的に分析している。よく都市計画の門外漢は、日本には都市計画がないなどと批判するが、東京大学都市工学部関係者によって執筆された本書は、実務としての都市計画はともかくとして、学問としての都市計画はしっかりと日本に存在するということを示している。逆にいえば、これだけ学問的にはその問題点などもしっかりと分析、整理されているにも関わらず、なぜ日本の都市は美しくなく、そして多くの課題を抱えているのであろうか。実学的な性格が強い都市計画であるのだが、東大の先生とはいえ、行政関係者はあまり参考にしていないのだろうか。是非とも、都市計画の実務に携わっている人には読んでもらいたい一冊である。