短編5編からなる、「都市伝説セピア」はとても面白い。すべてに、今30代、40代の人なら「もしかしたら、あの事件?」と思わせる本当の事件をモチーフにしたような題材がちりばめられ、ちょこっと、テレビッ子だった人やオタク予備軍(経済的に許されれば、きっと私も引きこもって優雅なオタク生活)だった人は、なんだか懐かしいなあといろいろな事を思いだすでしょう。「昨日公園」を読んだ時はなんだなんだこの感触と思ったのですが、あとがきで石田衣良さんが「ウルトラQ」という言葉をだしてきたので、ああそうそう、あれはこんな感じだったと昭和30年、40年代子供であったということはとても幸せなことだったのだなあと実感。グリコのキャルメルみたいに2度美味しい小説です。