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郷愁の詩人 与謝蕪村 (岩波文庫)
 
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郷愁の詩人 与謝蕪村 (岩波文庫) [文庫]

萩原 朔太郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

著者「君あしたに去りぬ。ゆうべの心ちぢに何ぞ遥かなる…」の詩を引用し、作者の名をかくしてこれを明治の新体詩人の作といっても人は決して怪しまないだろう、と本書の冒頭で述べている。蕪村をいち早く認めたのは子規だが、郷愁の詩人として、蕪村の中にみずみずしい浪漫性を見出したのが朔太郎(1886~1942)であり、その評価は今もゆるぎない。

登録情報

  • 文庫: 151ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1988/11/16)
  • ISBN-10: 4003106229
  • ISBN-13: 978-4003106228
  • 発売日: 1988/11/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
知人から名著として当該著書を推薦されたのは遥か昔のことであるが、推薦に値する名著と納得しながら読み進んだ当時の感動が未だに記憶に残る。与謝蕪村を「郷愁の詩人」とは、実に的確な表現である。萩原朔太郎の解説の真骨頂といえよう。思い出したように時々書棚から取り出し、ぱらぱらと俳句を拾い読みしても、それぞれの俳句には解説と共に名状し難い懐かしさが伴う。

「蕪村の情操における特異性とは、第一に先ず、彼の詩境が他の一般俳句に比して、遥かに浪漫的の青春性に富んでいるという事実である」、と萩原朔太郎は述べている。

説明よりは、ここでは味わっていただくために、当該著書で取り上げられた俳句の中からいくつか引用してみよう。

 遅き日のつもりて遠き昔かな
 
春雨や小磯の小貝ぬるるほど

 陽炎や名も知らぬ虫の白き飛ぶ

 愁ひつつ岡に登れば花いばら

 春雨や人住んで煙壁を洩る

 鶯の鳴くやちいさき口開けて

 春雨や暮れなんとして今日も有

 
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
朔太郎の詩は、当方にはなかなか理解し難いところも多いが、本書は近代日本最高の詩人のロマンティズムが横溢、郷愁の風が吹き、センチメンタルな心地よさに酔わせてくれる。
本書を読むことで、評者は圧倒的に“蕪村派”になってしまい、芭蕉を敬遠することに相成った。
本書付録の「芭蕉私見」では、当初嫌いだった芭蕉だが、老年に差し掛かって芭蕉の「東洋風枯淡趣味が解って来た」と朔太郎は書いているが、当方いまだケツが青いこともあってか、何回読んでも蕪村のほうがよいと思える。こういう比較は、まあどうでもよいことだが・・・・。

「秋ふかき隣は何をする人ぞ」(芭蕉)と「門を出て故人に逢ひぬ秋の暮」(蕪村)のどちらがよい?
朔太郎は「双璧」としているが、評者の好みでは圧倒的に蕪村。尤も芭蕉作を意識して蕪村は詠んだのかもしれないが、「故人に逢ひぬ」には軽く眩暈さえ覚える。

「恋さまざま願の糸も白きより」
「愚に耐えよと窓を暗くす竹の雪」
「この村の人は猿なり冬木立」
「おのが身の闇より吠えて夜半の秋」
「愁いつつ丘に登れば花茨」
「春風や堤長うして家遠し」
「春の夜や盥を捨る町はづれ」
「遅き日のつもりて遠き昔かな」

こう並べて読んでいるとシューベルトを思い出す。
冥い想念。

しかし、このリズム感。

「菜の花や月は東に日は西に」
「梅遠近南すべく北すべく」

本書は何度も読んでいると、朔太郎の解説が余計になってくる気もする。実際不要ではないか!
与謝蕪村、この詩人の詩は汲めども尽くせぬ。「第二芸術」とか何とかなんて不毛な議論だなあ〜。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
今時、萩原朔太郎という作家の本を読んでいる若者はどれくらいいるのだろうか・・・。
かくいう私も、20年くらい朔太郎を読んでいない有様であった。与謝蕪村について書かれた
この本は、朔太郎らしいリリシズムにみちた俳句の解説がほとんどである。読んでいるうちに、私は蕪村の俳句の世界に引きずり込まれていくようだった。蕪村は、ほとんど読んだことがない私であるが、蕪村初心者でも、わりととっつきやすい本だったと思う。昔ののどかな日本の風景のなかにいるような気分になる一冊であった。
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