ハイパーインフレが来る!とか、預金が封鎖される!とか、今にも大変なことが起きそうなことを書いて、ドルを買え、デリバティブファンドを買え、とあおってる本が、ここ数年次々と出版されてる。どの本も国家負債がGDPの?倍になってるから、もう国の財政は持たない、というのが根拠だ。しかし、どの本もその先の説明が無く、いきなりドル、外国ファンド、ゴールドを買えという結論に走ってしまってる。そうした点で言えば、本書はハイパーインフレへの経緯が詳細に予測されており、説得力がある。様々な課題はすべて2008年に先送りされている。そして、その先は、民営化した郵貯を破綻させることで、官僚は責任を逃れる、というストーリーは十分に納得できる。ただ、その前提として著者は消費税17%はあり得ないとしている。しかし、オーストラリア、英国、そして独仏のユーロ圏は15-20%の消費税である。これらの諸国はどれも財政健全化手段として、緊縮財政と増税を行った。日本がなぜそうした手段を取らない(取れない)のか、ということの説明が不十分である。さらに、崩壊した郵貯を外資が買い取って儲ける、と説いている。外資が儲けるほどの資産があるなら、取られる前にその資産で負債を消却できるはずだ。なぜそうならないのか、その説明も無い。つまり、本書はこれまでの金融危機本よりは一歩踏み込んではいるが、やはり、結論(2008年問題)が先にあって、理屈をあとでつけた体裁である。面白かったから星4つ。