前半で、郵政攻防に関わった人々の激動の日々を記録する。最大のキーマンである小泉純一郎首相が「反郵政」に傾いたきっかけ、党内の一匹狼として郵政民営化論を維持し続け、孤独に闘った経過などを描写する。そのほか、民間の経営手法を持ち込む改革者と期待されたが、「現場を知りすぎた」「抵抗勢力」との批判も出た生田正治日本郵政公社総裁、常に閣内で郵政民営化の旗振り役となってきた竹中平蔵総務・郵政民営化担当相、「郵政民営化」というワンワードで仕掛けられた昨夏の衆院選に適切に対応できなかった岡田克也民主党前代表らの言動をドキュメントで追う。
後半は、郵政改革の意義、懸念を経済・政治の両面から整理する。「政府の民営化法案には様々な問題があると感じつつも、民営化は必要」という見解の著者は、郵便局ネットワークを効率的に再配置するための都市部の見直し、巨大な郵政事業の分割の検討などに言及する。郵政攻防は改革の中身だけでなく、政策決定の手法を巡る闘いでもあったと振り返る。
(日経ビジネス 2006/02/06 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
陰謀論の限界と政策理念の意義がわかる,
By ユヌスの知り合い (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 郵政攻防 (単行本)
郵政問題など、この手の改革には、そこで生活を営んでいる人がたくさんいる以上、それを前提とした生活感や情念があるのは当然で、とかくマスコミ的には、善悪論や陰謀論がはやる。しかし、この本を読むと、政策を進めていく際、主導する理念や経済理論が持つ力もきわめて重要なことがわかる。ゴシップ的な耳目に入りやすいことを知りたい人には、不満足かもしれないが、今後の日本でも、さまざまな規制緩和や民営化が進んでいくということを、「郵政民営化」をケーススタディとして、冷静に考えたい人には、最適である。 郵政民営化をめぐる人々の想いや志とともに、「民営化」が、日本における政治経済への意義を理解するために、政権中枢や反対派にも十分な取材をした、現時点での信頼できる情報源に基づいた好著である。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ジャーナリズムを感じました,
By
レビュー対象商品: 郵政攻防 (単行本)
小泉改革の本丸である郵政民営化の舞台裏をジャーナリストの目で記した一冊。「改革派」と「抵抗勢力」というステレオタイプのとらえ方ではなく,それぞれの当事者が何を感じて,どう思っていたのか,人間の思いと息づかいが聞こえてくるような臨場感が伝わる好著である。 特に,P263以降に「対立軸の必要性」と題して,著者の「政治」についての基本的な考え方が記されている部分は,極めて共感できるものである。
7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
あんまり面白くなかったです。,
By 金村 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 郵政攻防 (単行本)
話が飛び飛びで、読み難いし、あんまり読み応えもないと思いました。【第3章 野中広務の誤算】までは、流れとして面白かったのですが、竹中やら民主・岡田の章くらいで、流れが途切れて面白くなかったです。 最初の章のほうで、この攻防の原点は田中派VS福田派の延長線上の闘いと書かれていましたので、そこから話をもっと広げて書いてくれれば、読み応えもあったと思います。 郵政選挙のことも、淡々としか書かれてなくて、いまいち迫力も伝わってきませんでした。 不謹慎ですが、自殺者まで出した郵政攻防は、裏舞台はもっと凄まじかったはずです。 それが微塵も伝わらなかったです。
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