誰が何と言おうとこれが平松愛理の代表作、永遠の名曲なのです!他社のレビューでは異色とのコメントが見られましたが、いえいえこの曲だってしっかりと平松流の「毒」が盛り込まれているでは有りませんか。
それこそが正に平松ワールドの真骨頂なのです!初めて聞いたときは関白宣言の女性版と思われる本作は、数回聞いたら女性の洞察力と計算高さがテーマ……?そして一万回聞いても分からないものは分からない、そういうとてつもなく奥の深い詩でもあります。いえ、「奥が深い」というありきたりな言葉ではなく、「底なし」あるいは「ブラックホール」とでも申しましょうか。安易に深入りしたが最後、永久に脱出できない無限大の平松ワールドを彷徨うことになるので、くれぐれも使用上の注意を遵守して下さいませ。
例えば歌詞で繰り返し使われるキーワードに「右の眉」があり、サビの部分で
♪もし私が先立てば おれも死ぬといってね
♪私はその言葉を胸に 天国へと旅立つわ
♪あなたの右のまゆ 見届けたあとで
となっているのですが、これは「あなたの右の眉が上がっていない、嘘をついていないことを確認する」なのか、「右の眉が上がっていても、嘘でもいいから『おれも死ぬ』と言ってほしい」なのか、十数年考えてもいまだに分かりません。
言い換えれば一瞬で売れて一瞬で飽きられるヒット曲ではなくて、本作のように聞けば聞くほど味が出る、こういうのを真の名曲と言うのではないでしょうか。この曲は数百年先まで、それこそドラえもんの誕生日とされる2112年09月03日を雄に過ぎても尚歌い継がれることでしょう。
尚、シングルカット盤の本作でも物足りないと思った方は、アルバム「My Dear」に収録されているバージョンをお聞き下さいませ。シングル盤に比べ「My Dear」のバージョンはメロディがぐっと抑えられ、その分歌詞の単語一つ一つが猛毒となって襲いかかってくることでしょう。