本書は、第一勧業(みずほ)銀行という、大きな組織の中で、サラリーマン世界の上下関係のど真ん中で多くの上司や部下を見てきた江上剛さんだからこそ書ける説得力のある内容になっています。江上さんといえば、第一勧銀の総会屋事件の時の体を張っての大活躍が本や映画にされたこともあり、話題になりますが、実は、第一勧銀の人事部にも長く在籍され、総合職の行員の全ての人事記録ファイルを読んで記憶し、毎年、年に一度の人事面接では、それらの支店や本部の行員と個人面談をされてきたという、第一勧銀でも、人事部のごくわずかな人しか体験できない経験を持つ、「人を見抜くプロ」でもあるのです。
大切なキーワードとして「気づき」「想像力」「感受性」の3つを挙げ、部下をヤル気にさせ、そして、その結果として組織を活性化させるための上司の指導術を教えてくれます。
また、逆に、江上剛さんが、これまでたくさん見てきた部下をダメにする悪い上司の例も多くの実話と共に書かれており、それらの悪い上司のことは反面教師として、読者にとって貴重な教訓としてプラスになるようにという江上さんの願いが強く伝わってきます。
江上さんは銀行という組織での体験を基に本書を書かれていますが、その内容は、どの業種、業界にも通じるものだと思います。組織で上司の立場の方も部下の方も、サラリーマンならば勿論のこと、これから就職する学生の皆さんにも是非一読してもらいたい良書です。