本書の要点を整理すると、コーチングの主な目的は「自らの持つ可能性を最大限に発揮する」ことであり、上司にとっては、部下の可能性を最大限に引き出すことにある。この点で新味は感じられない。しかし、コーチングはその実践において、従来の上司と部下という関係をがらりと変えてしまう。それは「支配・従属的な人間関係」ではなく「協働的な人間関係」、つまりパートナーになるのだ。「答え」は上司が与えるものではなく、常に部下が自分の中にもっていて、上司は質問によってそれを引き出す役割しか持たない。経営者や上司は、部下がもつおのおのの「答え」に立脚するため、組織は社員一人一人に合わせた「ワン・ツー・ワン・マネジメント」になる、というのだ。これにより、指示待ち、依存型の部下は自立して、「自ら考え、自ら動く」人材に変わり、組織の活性化が図れるという。
本書では、答えのない時代に行き詰まる経営者、上司への処方箋として、コーチングの中核をなす5つの技術が紹介される。ただ、実践的なノウハウに重点を置いた書き方ではない。むしろ、原理的につきつめた部分を著者は強調する。たとえば、「部下を動かす」といった表現に象徴される上司の「操作主義」を、徹底してしりぞける点だ。確かに、経営者や上司がこうしたイデオロギーを改めない限り、コーチングは場当たり的なものに終わるだろう。その点で、コーチングの真髄と可能性を実感できる1冊だといえる。(棚上 勉)
いま企業内においても同様のことが起きている。マネジメントでの答えは「経営者や上司ではなく,社員や部下にある」と本書は指摘する。「川上と川下の逆転現象」だ。言い換えれば,元気のない企業が活性化する新しい時代のマネジメント手法は,従来の「指令命令型アプローチ」から「質問型アプローチ」への転換が必要だという。それは,近年,欧米企業を中心に新しいマネジメント・スキルとして積極的に採り入れられつつある。「コーチング」と呼ばれるマネジメント手法だ。
自由な発想の自立型の人材が育たない。もしかしたらその原因は,社員や部下にあるのではなく,経営者や上司にあるのかもしれない。コーチングの基本的な考え方ばかりでなく,具体的にコーチングの技術,5つのコア・スキルも詳しく紹介する。 (ブックレビュー社)
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
即実践!,
By 好好学習天天向上 (富山市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 部下を伸ばすコーチング―「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ (PHPビジネス選書) (単行本)
非常にわかりやすくコーチングを解説している。特に実際の部下とのやり取りは参考になる。この本を読んで実践することが重要であると思う。決して難しいことではないので出来ることから実践していきたい。また、会社だけでなく、家庭でも取り入れてはどうだろうか。新しい家族関係が生まれるかも知れない。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
相手の可能性を引き出すために。,
By 内海透 (東京都江戸川区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 部下を伸ばすコーチング―「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ (PHPビジネス選書) (単行本)
私がコーチングに興味を持つきっかけとなった本です。論理的で分かりやすい本です。 答えを持っているのが上司から部下へと移っていった。 また、その答えのありかも分散している。 だから、操作主義ではなくコーチングで相手から答えを引き出していかなくてはならない。 2人以上の人間がいればそこではコーチングが必ず役に立つとの言葉通り、相手の可能性を引き出すためにどのようにコーチング技術を使えばよいかが書かれています。
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
目から鱗が落ちました。,
By カスタマー
レビュー対象商品: 部下を伸ばすコーチング―「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ (PHPビジネス選書) (単行本)
既成概念を180度変えるほどの強烈なインパクトを与えられ、目から鱗が落ちました。何事も「すべての答えは、その人の中にある」と、信じて取り組む大切さに気づかされました。
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