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郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径)
 
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郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径) [単行本]

堀江 敏幸
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

パリを一歩離れるといつも新しい発見があった。郊外を愛した写真家や作家に寄り添いながら、ときに幸福な夢想に身をゆだね、ときに苦い思索にふける。三島賞作家鮮烈のデビュー作。

内容(「BOOK」データベースより)

パリを一歩離れるといつも新しい発見があった。卓抜した仕掛けによって、パリ郊外を語りつくした魅惑の書。ドワノーやモディアノなど郊外を愛した写真家や作家に寄り添いつつ、ときに幸福な夢想に身をゆだね、ときに苦い思索にふける、「壁の外」をめぐる物語の数々。三島賞作家鮮烈のデビュー作。

登録情報

  • 単行本: 190ページ
  • 出版社: 白水社 (2000/07)
  • ISBN-10: 4560073473
  • ISBN-13: 978-4560073476
  • 発売日: 2000/07
  • 商品の寸法: 17.5 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
何かにはじかれるように、または導かれるように、パリ郊外へとさまよい出る「私」。日常から少しだけ離れてみることで、日常がより親密に感じられるようになる、ということが分かる。筆者も認める通り、エッセイのようで小説のようでもあり、紀行文のようでもある本。ジャンルや境界(国、景色、生活・・・)を進んで越えたところに何かを見つけられるかもしれない、というささやかだが強い決意のようなものが感じられる。「知識人」「詩的」と評されることも多いようだが、筆者の「私」は自分の足で歩き、自分の目で世界を見て、借り物でない自分の表現を探ろうとしている。単なる夢想に遊ぶのではなく、一寸先に闇を認める感覚を大切にしていると思う。
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形式:単行本
―パリを一歩離れるといつも新しい発見があった。―
これはエッセイなのか?それとも自伝風の散文(フィクション)なのか。あるいは、30歳前後の著者がフランス文学の研究者としてすごしたフランス滞在経験をふまえて綴った実話とでも言えばいいのか。
実はエッセイのようでありながら郊外を愛した実在する写真家や作家に寄添いながら創作した物語(フィクション)であり、郊外を主題とするイマジネーションの産物なのだ。
そればかりか“あとがき”を読んで驚いた。なんと、一人称で語られる私でさえ「郊外的」な立ち位置の代弁者にすぎないとあったからだ。
郊外とは何か。それは日本の城下町みたいなものなのか。光と闇で考えれば限りなく闇のイメージ。そしてまた、フランス現代小説における郊外地区の位置づけとは…

虚構なのか現実なのか、そんなことはどうだっていい。つまりは、「壁の中」の都市とは決定的に異なる郊外のメタファーをどのように散文形式で成立させリアリティーを獲得できるかということ。けだし、虚実が錯綜するかのような知的な文体は、きわめて興味深い空想の郊外論であるということもできるし、「壁の外」をめぐる斬新で新しい実験的な小説でもあるともいえるだろう。
『郊外へ』が1995年に白水社から出版されていることを思えば、この作家の比較的初期に属する作品といえるけれど、堀江文学のエッセンスが感じとれるものであり、おそらく氏の原点となる一冊であることはまちがいない。
この小説にある「夜の鳥」を読むことで、はじめて梟のイメージと不可解だった短編集『ゼラニウム』の最後の作品のタイトル「梟の館」の意味が腑に落ちた。
作家だから当然といえばそれまでだけど、こんな文章、本当によく書けると感心する。どんな才能なのだろう。何といってもこの独特の文体がすばらしい。
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形式:単行本
あとがきで著者が書いているように、これは短編小説でエッセイではない。
この本に納められている13編の短編のキーワードは「パリ郊外」だ。あてどなく歩き、衝動的にバスに乗り目に映る郊外、様々な書物で語られる郊外。「壁の外」「へり」「玄関マット」「靴ぬぐい」(!)と呼ばれる中途半端な場所。

でもこの本は「郊外」に関心がある人というより、「文学」あるいは「本」に関心がある人の為の本だ。サンドラール、ドワノー、カフカの未完の小説等、ちりばめられているエピソードがとても魅力的だから。
堀江氏の文章はクールで、さりげないユーモアがある。
  「さすがに切れた私は、RERでレ・アールまで戻るとその足でフナックに駆け込み、腹立ちまぎれに五日分の収入をすべて本に換えてしまった。」
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