一言でいうと、生き方レクチャー本(そうじゃないかもしれないけど)。
といっても、「サヴァイヴしろ!」みたいなマッチョで誘導尋問的ないやらしさはない。
この本は、「当たり前のことをみんな忘れちゃってるんで、当たり前のことを体の感覚に取り戻したら、きっと生き残れますよ」と教えてくれているのだと思う。
内田樹の書籍には、例えば『街場の教育論』とか『日本辺境論』とかのような、具体的な何かを論じているシリーズと、この本のように、いささか抽象的な何かを論じた本があると思う。
邪悪なもの……邪悪なものっていったいなんだよ!と、人はいぶかしがるかもしれない。
だが僕は、どちらかというとこの本のような、いささか抽象的な何かを論じている本にこそ、生活のための重要な知恵というか、処方箋のようなものが、記されているように感じられてならない。
そして、その処方箋が、この本を読むうちに、じわじわと効いて来るのではないのか、と思うのだ。
『日本辺境論』はかなりヒットしているが、こちらも、相当に役に立つ書籍だと思う。
ぜひ多くの人に読んでいただきたい。
出来れば、二回。
平明な文章なので、よどみなくさっと読めると思うのだが、さっと一読したときと、一呼吸置いてもう一度呼んだときとで、大分と印象が変わってくるはずだ。
そういう本は、優れた本である証拠である。
なぜかって?
単純に見えて単純じゃないから、ですよ。
この本が何に効くのかは、人それぞれの捉え方次第と思うのだが、僕は、『単純な物語に回収されない免疫力をつける』という効き方をすると感じている。
それって大事なことですよ!