これは良いですね。様々な現代の邦楽をリードしている若きアーティストの素晴らしい試みが11曲収録されているコンピレーションアルバムです。
「辛気臭い」とか「分かりづらい」という感想は全く持てません。1曲聴き終わるたびに新鮮な感動に襲われます。ハッとする音楽ってなかなか出会えないものです。
NHKの「新日本紀行ふたたび」のエンディングテーマを歌っている坂田美子さんの「祇園精舎 / 坂田美子(琵琶),共演:坂田梁山(尺八)」の凛とした声に聞き惚れました。説得力のある語りで魅了されましたね。13分近い長さを感じさせない奥深い伝統の美を感じました。
コクーの演奏するエマーソン・レイク・アンド・パーマーの名曲「タルカス変奏曲」には、ぶっ飛びました。プログレの世界と邦楽の融合という思いつきもここまで完成されれば立派の一言です。中村明一(尺八),八木美知依(箏),丸田美紀(十七絃)という若き才能に感服しました。
聴きなれた「黄鐘調調子」も、伶楽舎(雅楽)のオリジナルとはまた違ったアレンジの演奏に接すると、幽玄の世界に新しい彩色が施されたかのように思いました。
宮西希(箏・二十絃)の「Spring Yellow」は癒しの極致とも言うべき演奏でしたし、一噌幸弘(能管)の「落石覚悟 /共演:吉野弘志(ウッドベース)」や、ヒダノ修一(和太鼓)の演奏する「海老天 /共演:神保彰(ドラムス)」はジャムセッションとも言うべきものでした。邦楽とジャズという異文化との対決のような雰囲気すら漂っていました。
吉田兄弟(津軽三味線)による「モダン」、木下伸市(津軽三味線)の「津軽おはら節(青森県民謡)」、森川浩恵(箏)の「甦る五つの歌(第三章)」もオススメします。