中華圏の女性が青春時代に誰もが夢中になる作家‥というのがおおいに頷ける、とても面白い物語だった。登場人物の個性がよく描き込まれているし、話のテンポが小気味よく飽きさせない。まるでアクション映画を見ているかのような感がある。
そして他のレビュアーも書いておられたが、この原作本はドラマを観るにあたり、大層役に立つ。私の場合この本を読んだ後に現在ドラマを観ているのだが、本で要所要所をあらかじめ押さえてあったおかげでドラマの内容理解が大変スムーズだ。
ただし一つだけ、この訳者に苦言を呈したい。中国の時代劇なのでその雰囲気をわざと出したかったのかもしれないが、単語遣いがわかりにくいものがたびたび出て来る。例えば「江湖」「公主」などは国語辞典にも載っているが「冊封」まではさすがに無い。もちろん文脈からどれも意味は取れるが、敢えてわかりにくい古典単語を使う必要はないと思う。この物語は登場人物もそして対象読者も若い。せっかく生き生きとした会話がちりばめられているのだから、若い人がすんなり受け入れられるような訳を心がけて欲しかった。文体は難しくないのに、所々の単語が難しい。よって星一つ減らした。
でも抜群の面白さ!中国映画が好きな人は是非一読を。ドラマも良いのに、日本語版が無いのが残念に思う。昨今は韓国宮廷ドラマが大流行りだが、清朝時代の宮廷の様子を見るのもまた新鮮だ。