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遺稿集 (講談社文庫)
 
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遺稿集 (講談社文庫) [文庫]

鴨志田 穣
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

書き残したのは嘘?真実?
4年もかかって完成しなかった書下ろし小説、サイトに連載した旅行、合コン、妻との出会い……アル中になり、ガンで亡くなった42歳の男の未刊行原稿のすべて。
僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった。(絶筆)<本文>より --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった―この一文で絶筆し、42歳の生涯を閉じた「カモちゃん」こと鴨志田穣。彼がアルコール依存症の治療前~がん闘病中に書いた未刊行原稿のすべて。小説「焼き鳥屋修業」はベッドから一枚一枚編集者に原稿用紙を手渡した。

登録情報

  • 文庫: 450ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/10/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062767740
  • ISBN-13: 978-4062767743
  • 発売日: 2010/10/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
早いもので、彼が亡くなってもうすぐ1年。
一周忌を前に出版されたこの「遺稿集」は、まさに「遺稿集」にふさわしい内容と構成だ。
死の直前までオズモールで連載されていた闘病記からはじまり、
同じくネット上で連載されていた合コン体験記や、
二十歳すぎに焼き鳥屋で修行した経験を描いた未完の私小説などを間にはさみ、
西原氏との出会いを書いた文章で終わる。

未完のまま終わったオズモールの連載分は、生々しく且つ壮絶な内容でもあるはずなのに、
なぜか淡々と、まるで俯瞰しているかのような印象さえある。
自らの余命を知っておきながら、
彼はどうしてここまで冷静に、淡々と自分と周囲を描写できたのだろう?と、
不思議な気持ちになるのだ。
だが、もしやそれは、
彼が自らをも取材対象にできるジャーナリストの魂を、
失ってはいなかった証だったのかもしれない。
いくつもの戦場で死線をさまよい、命が奪われていく様を目の当たりにしてきた彼である。
自分の死が近いという極限に至り、
事実をありのまま伝える戦場カメラマン、そしてジャーナリストとして、
死を目前にした自分を徹底的に取材し、
フィクションともノンフィクションともつかない形で表現した文章は、
ジャーナリストとしての彼の姿を伝えているように思うのだ。
それと同時に、
どんなふうにも人間は生きることができる、という姿を見せてくれた気がする。

きれいごとでもなく、地を這い、血反吐を吐き、あらゆる恐怖から逃げ続け、
ボロボロになった自分でも生きていけたのは、
やっぱり愛してくれる家族がいて、愛する家族がいたからなのだろうか…。

作者の生き様を痛いほど感じる一冊。
西原氏の「毎日かあさん出戻り編」も併せて読むことをおすすめします。
このレビューは参考になりましたか?
47 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 抹茶
形式:単行本
亡くなった人間に対して甚だ失礼ではあるが、氏のいままでに書いた文章から考えてあまり内容に期待せずにいた。。しかしそのなかでも特に期待していなかった未発表の書き下ろし小説(氏の青春時代)も含めて、ぐいぐい引き込まれるものがあり一気に読み終えてしまった。
私を作品にひきつけた要素として、「西原の元旦那の今わの際」に対して抱いている関心(それは西原作品を読み解く上でも大きなファクターたりえる)が大きく働いたことも確かだが、やはりそこは「確実な死に直面した者の書く」文章の持つ迫力に敬意を表さなくてはならないであろう。
氏は逝去するまでの半年間、離婚していた元妻と復縁して同居していたため、その最期期の姿は「毎日かあさん」にも描かれている。そこに描かれた明るい姿は宿阿のアル中にようやく打ち勝ちながらもたちまち末期癌に見舞われるという氏の人生にとって、最期の心の安らぎであったか。
奇しくも氏の命日にHP上に掲載された「邂逅」にはその事実も含めて背筋をゾクッとさせられる力がある。
このレビューは参考になりましたか?
41 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By otsuka
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 著者が撮った風景写真のカバーに、「遺稿集」のタイトル。中身は――当然ながら――活字だけで、手に取ったときはいささか「ぶっきらぼうな本」という印象だった。命日を奥付の刊行日とした本書、もしカモちゃんが生きていたら「法事の引き出物みてえだな」と言ったかもしれない。

 だが、読み始めると止まらなくなり、けっこうなページ数にもかかわらず一気に読まされた。面白い。そして、感動した。なんというか、彼が求めたもの、書きたかったことが、やっと分かった。

「うーん、わからないんです」
「何がさあ」
「家族のつながりが」
(「焼き鳥屋修行」より)

 絆か。その心が俺には欠けている。
(「旅のつづき」より)

 絶筆となった最後の「邂逅」を読み終え、むしょうに酒が飲みたくなった。天国のカモちゃんと一杯やりたくなる。本当に君と友達になった気がするよ。
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