再生産論の古典。「金持ちは金持ちを再生産する」という例のアレです。もちろん、その再生産は学歴を通じてであり、フランスの場合日本の旧制高校にちかいはっきりしたエリートを養成するためのシステムが確立しており(イギリスもそれに近い)、そのコースに乗れるかどうかが将来に深く関係してくるということです。
さいきん、日本においても同様の傾向が指摘されています。わたくし自身もブルデューと同じような経験を大学時代にしているために(大学に入学して周りの学生と「世界が違う」ことを実感しました)もともとこの問題には興味があったのですが、そのウン十年前と比べて現在は比較にならないほど「遺産相続」の傾向が進んでいるそうです。つまり、日本ではアメリカ・イギリスと異なり、学費の安い国立大学が「高学歴」をかたちづくっているわけですが、そこへ入学できるのはほとんど親が高学歴=高収入=高い文化資本を持つ層に限定されてきているようです。
そういう日本の現況を考えるためにも、このブルデューの議論は役にたつでしょう。後年、ここでの理論は「再生産論」としてさらに深化されるので、興味のある方はそちらに進まれるとよいでしょう。