「秘密につつまれた被相続人の遺言状の開封のために、相続人たちが、未知の力を
いっぱいそなえた魔法の館に集まって、全員に共通の利益のために協力するのか、
それとも、ぞっとするようなやり方で破滅するのか、選択を迫られる。どんな決断をしても
結果が予測できないような、まったく不確実な状況で、相続人たちは、それまでの
習慣とは反対の、まったく新しい行動・態度を示さなければならない。が、そういうことは
できない。彼らはいつも通りの基本類型にしがみついたまま、最悪の結末を迎える」。
基本的には、上記のとおりの半ばネタバレを「はじめに」において筆者自身がして
くれているので、一読者である私としては、特にこれ以上、付け加えるべきものを
持たない。
「悔い改めよ。天の国は近づいた」(マタイ4・17)。……って、誰も「悔い改め」なんて
しやしない。それでもなお、人はただ語る他ない。
可もなく、不可もなく。
主題においても、技法においても、何ら新しい点はない戯曲。