この本の要点。
昆虫学者のR・L・スミスが提唱する「精子消費期限説」とは、男性が自慰行為をするのは、古くなって有効期限の切れた精子を捨てるというもの。自慰行為によって、SEX時に使用できる精子の量は減るが、最新の精子を受精に使用することが出来るということ。
イギリスのリバプール大学のJ・T・マニングは、病院の不妊外来で検査を受けた53人の男性の精液を調べ、さらに左右の指の長さを計測した。その結果、左右の指の長さが1ミリ以下しか違わない男性は、精子の数が多く、質が良いことが判明した。これは、左右の指の長さが違わないということは、それだけ体の設計自体がより精巧にできていることで、だから精子の質も良いのである。
1994年、マニングはイギリス競馬で活躍するサラブレッド73頭について、体の左右のシメトリー性(左右の作りがどれだけ一致するか)を測定した。前脚4箇所(後ろ脚はよく動くので測定誤差が出るので測定しない)、顔について6箇所(耳の長さ、歯の長さと幅、鼻孔の幅、頬と耳の距離、頬と口の距離)を調べた。その結果、シメトリー性が高い馬ほど、強い競走馬であることが分かった。しかも、最も相関関係が高かったのは顔の部分。つまり、強い馬とは体全体が神経系を含めて正確に出来ている馬であることが判明した。
マニングによるリバプールの住民800人の調査。男性は、人差し指より薬指の方が長い傾向にあり、薬指に対する人差し指の比は平均で0.98で、女性は1.00。しかし男性は、薬指の人差し指比が長いほど、テストステロンの値が高くて、精子の質が良いことが判明した。女性は人差し指が長いほど、女性ホルモンが高い。また薬指の長い男性は、うつの傾向があり、音楽的才能があることが分かった。
男性の精子は全て「受精用」のものではない。一回に放出される数億の精子のうち、「受精用」は数百万で、残りは「戦争用」で他の男性の精子と戦うためのものである。この戦争用の精子は、他の精子に頭突きや尻尾を絡ませて妨害して受精を阻止したり、酵素を放出して他の精子の邪魔もする。
イギリスのマンチェスター大学のロビン・ベイカーとマーク・ベリスが1995年に発表した「サンクション・ピストン説」。男性が射精する前に自分の性器を何回も女性器に挿入してピストン運動させるのは、快感を得るためではない。性器を入れたり出したりすることによって、他の男の精子をかき出す行為をしているのである。つまり、ピストン運動とは、生存競争のために他の男の精子を女性器の中からかき出す役目である。そして一定時間のかき出しを終えた後に、自分が射精するという合理的なシステムになっている。
ロビン・ベイカーとマーク・ベリスの男性の精子の数に関する調査。自慰行為の場合は、前回の射精時(自慰orSEX)より時間が経っているほど、精子の量が多かった。しかし、SEX時の精子の量は、男性が射精前までにパートナーの女性と一緒に過ごした時間に比例して増加した。例えば、前回のSEXからほぼ100%の時間を女性と一緒にいた男性は、放出される精子の量は約2億個。そして約50%の時間を一緒にいた場合は3〜5億個。そして10%以下だと4億数千万から6億5千万個になる。この理由は、男性は女性のずっと一緒にいた場合は、その間に女性を「ガード」していたので、他の男性とSEXしていないのを知っているので、少ない精子でも受精できる。しかし、自分の知らない間に女性が他の誰かとしているかもしれないので、精子の量を増やす。女性と一緒にいない時間が増えるほど、この効果が大きくなるので、精子の量も増えるのである。
日本人の2大ルーツの1つの縄文人は、アルコールに対して強い遺伝子を持っている。しかし、朝鮮半島からやってきた弥生人はアルコールに弱い。このため、日本人にはアルコールに強い人と弱い人が混在する結果になっている。
1965年11月9日、ニューヨークを中心にアメリカ北東部が大停電に見舞われ、多くの人が明かりなしで夜を過ごした。それから約10ヵ月後、ニューヨークの産院はどこも満員状態になった。つまり、停電中の暗闇の中でやることがないのでセックスを行う人が多かったとも言えるが、女性の体は暗闇などの不安によって予定外の排卵をしたので受精確率が高まったのである。同様に、真珠湾攻撃から約10ヵ月後に、アメリカ本土の女性の出産が増加したというデータもある。