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5つ星のうち 3.0
餅は餅屋に,
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レビュー対象商品: 遺伝子「不平等」社会―人間の本性とはなにか (単行本)
生物学者で「反ネオダーウィニズム」を標榜する池田氏の対談集である。「はじめに」は氏の持論に基づくいわば基調講演である。その後に4人の学者との対談がなされるが、各論に先立って該当分野に対する池田氏の見解がさらに示される。内容は他のレビュアーも記しているので省くが、4つの対談を読んで、自然科学としての生物学と人間洞察を基盤とする社会学や教育学との較差が如何に大きいかを印象づけられた。「餅は餅屋」というが、4人の専門家の発言には流石に重いものがあった。そのような対話を引き出した池田氏を評価して☆3つとした。 ところで、リバタリアンを自称する池田氏は、「子どもを親と引き離して育てればポル・ポトの思い通りの人間となる」と考えた共産主義者を批判するのは理解できるが、「東京都の教育委員会の面々は隠れ共産主義者なのかもね」と揶揄するのは如何なものか?「子どもは社会が育てる」という理念のもとに強行された「子ども手当」を氏はどう評価するのだろうか? 以下、本書のレビューとは少し離れるが付記する。 実は、先に池田氏の「「進化論」を書き換える」を読んで、その研究内容をもう少し知りたくて取り敢えず、手に入った氏翻訳のD.S.ムーア「遺伝子神話の崩壊」と本書を読んだ。クリックによりセントラル・ドグマが提唱されたのが1958年、その完成は1960年代中葉。動物発生学に遺伝子発現の概念が取り入れられてからの歴史はまだ浅い。発生にゲノム以外の初期条件(卵の細胞質など)や母体を含めた環境が影響することは当然であり、形質や性質の発現が遺伝子と環境の協働の結果であることに異存はない。従ってジェノタイプ(遺伝子型)とフェノタイプ(表現型)があることは理解している。 氏はネオダーウィニストを頻りに非難するが、残念ながら進化における自説のメカニズムを明確にしていない。小生の理解力の不足によるのかも知れないが、是非、進化学者として納得できるネオダーウィニズムに変わる理論を明確に提示して欲しい。
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5つ星のうち 5.0
ダーウィニズムのまやかしを学びたい人に,
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レビュー対象商品: 遺伝子「不平等」社会―人間の本性とはなにか (単行本)
著者の池田氏の立場は、反ネオダーウィニズムである。ネオダーウィニズムは、適者生存(=自然選択)と遺伝子の突然変異による個体の形質変化を進化の説明原理として、現在の全ての生物のありようを説明しようとする。しかし、どうひいき目にみても、自然選択と突然変異では説明できないことがある。例えば、人間が体表が無毛であることがそうだ。進化は、一つの遺伝子の変化ではなく、システムとして機能するいくつかのまとまった遺伝子群が同時に変わることで起きる。その際、自然選択はシステムの変更には寄与しない。このあたりの議論が、非常に精密に展開されていて、竹内氏の著作などよりもよほど説得力がある。 ダーウィニズムがランダムな個体変化を自然選択がピックアップするという概念なのに対して、池田氏はいわゆる「定向進化」の考え方である。定向進化説は、ダーウィニズムがまやかしであることは説得力をもって説明できるが、なぜ定向進化なのか、これはやっぱりメカニズムとしてはわからない。しかし今西錦司も言ったが「生物は変わるべくして変わる」という説を筆者はとりたい。ダーウィニズムのまやかし、を学びたい人にお勧めできる良書である。
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5つ星のうち 3.0
問題提起としては面白い。社会学・教育・医療の研究者達の評価はいかに?,
レビュー対象商品: 遺伝子「不平等」社会―人間の本性とはなにか (単行本)
■目次はじめに 1.男と女の狭間 「性アイデンティティをめぐって」小川眞理子(フェミニスト) 【対談】小川×池田清彦(生物学構造主義者) 2.教育のパラドックス 「『ハズれ』を敬う教育」正高信男(京大霊長類研究所教授) 【対談】正高×池田 3.心の在り処 「二分法の呪縛」計見一雄(精神科医) 【対談】計見×池田 4.「いのち」を誰が決めるのか 【対談】立岩×池田 「自由は優生を支持しないと思う」立岩真也(社会学者) 内容を大雑把にいうと、 1→身体の性・心の性・文化的社会的性…はどう決まるか? 2→発達障害に対し教育システムはどうあるべきか? 3→"心"は遺伝子で決まるか? 4→遺伝子診断は是か非か?誰が決定するのか、そのルールは? ■筆者の立場 「人間の全ての形態や行動は、遺伝子の突然変異+自然選択で進化した」という〈ネオダーウィニズム〉は、有性生殖で遺伝子の組合せはばらばらになることから、否定される。形質(器質、病気、才能など)の発現は遺伝子と環境(胎児環境&発育環境)との相互作用(コラボレーション、"ガラガラポン")によるもので、両要因は等価である。即ち、遺伝子レベルには還元できない(遺伝子の機能は一意には決まらない)。よって、遺伝子解析は統計的傾向しか言えず、”相互作用”の因果関係を解析するのはあまりにも要素が多すぎて不可能だという。 ■総評 相互作用という著者の考えは、システム論(system science)でいうところの創発現象(emergency)を指し、一般システム思考入門などでのシステム論の知識があることが望ましい。また非常に学際的な内容で、1章はジェンダー論、2章は発達障害、3章は精神疾患一般についての知識がないと、読みづらい。 対談相手は、話の合う後輩研究者を選んでいるようである。自称「リバタリアン」(自由至上主義者)の自然科学者である著者、および対談相手の主張がそれぞれの分野の研究者達からどう評価されるか期待したい。浅学の評者には、その資格はないだろう。
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