井真成とは、生まれがA.D.698年で734年1月に唐の長安?で36歳で亡くなっていた日本では全く誰だか判らない留学生である。かの有名な阿倍仲麻呂が一才年上である。そして謎が深まる。第9次遣唐使節で唐に行ったなら717年に日本を出発し阿倍仲麻呂 玄'ム 吉備真備と同じ使節に居たはず。もしそうなら19歳で長安に留学したことになる。
次の第10回の遣唐使だと733年のことで35歳になってから長安に赴いた事になる。吉備真備や玄'ムは その10回目の帰国の船で734年11月に日本に戻ったが その年こそ井真成が客死した年である。
さて着いた途端亡くなったのか、17年間中国で暮らしたのか?それさえも諸説紛々である。
この書籍その諸説をそのままごった煮状態で集めた本なので面白いがまとまりが悪い。また中国の学者さんの方がロマンチックな印象を総じてお持ちのようである。日本の学者は文献や石の大きさとか石質とかを語るが、西暦の8世紀の初頭に東シナ海を突っ切って渡海する恐ろしさとか体力とか基本的な大きな目で物を見る方が少ないのが気になる。
日本では無名の存在になってしまった井真成とは何者だろう?恐らく阿倍仲麻呂は顔見知りだったろうと思うし 一緒に行ったと思しき仲間たちの祖国での活躍を思うと日本側に何か資料が残ってないのか?と残念である。
ちょっとバラバラ感は有るが却ってそれが想像力を掻き立てる不思議な本だと思う。