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民俗文学だの、民俗洞察の書だのという難しいことはわかりませんが、山男、山女の怪談や民間信仰についての物語は抜群におもしろい。その上、文章がとても美しい。序文に「一字一句をも加減せず感じたるままを書きたり」とあるように、聞いたままをそのまま書いていたら普通の昔話集と同じになってしまっていたのでしょうが、聞いた上で思ったこと感じたことを付け加えて文章にしていったために、このような洗練された日本語になったのでしょうね。
そのため、古文調、文語体とはいえ、とても読み易く、古文が苦手という人も苦労せず読めることと思います。老若男女、全ての人に薦めて回りたくなるような名作です。
短い話が一杯入っているので、何気なく手に取って、どこからともなく読んでも良いと思う。
柳田は、当時流行していた私小説を好いていなかったそうだ。あまりにも下ら
なかったからだろう。ここに出ている一片のエピソードを読めば、柳田の気持
ちがわかる。
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