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30 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
伝説,
By ミチケル (長野県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) (文庫)
伝説は日本のどこにもあったはずである。何故、遠野が選ばれたのか。 岩手の奥の方は、今でも、違う時代を封入している感がある。明治であれば、江戸時代以前の名残があったであろう。それだけに、伝説が真実味を持って迫って来たことは想像に難くない。 当時の人の天衣無縫な発想を、柳田國男の簡潔にして鮮やかな筆致が伝えてくれる。 私は岩手の出身であるが、ひいき目ではないと思う。 拾遺の中に、三光楼という遊郭に通った男の屋号が三光楼になった、という話がある。普通では考えられないことである。しかし、遠野市出身のあでやかなる女性、三光楼さんは私の憧れの人であった。遠野にも、この珍しい苗字の家は2、3軒しかないということであったが、実在するのである。三光楼さんが言った。「六角牛山に3回雪が降ると遠野の町にも雪が降る」と。通し番号299話までのこの本の、第300話として書き込まれている。
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
旅愁が身にしみて感じられる「初版序文」も素晴らしき哉,
By
レビュー対象商品: 遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) (文庫)
1909年(明治42年)から1910年にかけて、当時30代半ばの柳田国男氏が、奥州は遠野の人・佐々木鏡石氏(当時24〜25歳)から聞いた土地の人たちの話を採集、筆記した民間伝承譚「遠野物語」。全部で119の短い言い伝えの背後に、深い山や黒い森の景色が見えるような気がした。谷川の清流のさらさらいう音や、凄い風のごおーっと唸る音が聞こえてくる気がした。
神隠しに遭った女の話や山奥の不思議な家「マヨヒガ」の話などあるなかで、格別印象に残ったのは次のふたつの話。 嫁と姑との仲が悪い家で気が変になった男の話(第11番)。「ガガはとても生かしてはおかれぬ、今日はきつと殺すべし」と言って、草刈り鎌をごしごしと磨ぎ始めるあたりからの成り行きにぞくぞくさせられた。 もうひとつは、第95番目に置かれた不思議な「石」の話。形の面白い岩などを持って帰るのを趣味にしている庭作りの得意な男(43〜44歳)が、山で遊んでいるうちに美しい大岩を見つけたところが・・・・。 ほかにも、津波で死んだ妻に遭った男の話や、ヤマハハが娘を喰らいて皮を剥ぎ、その皮をかぶって娘になりすます話などなど、昔話のエッセンスともいうべき怪異譚やら奇譚やらがいっぱい。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
素朴で興味深い,
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レビュー対象商品: 遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) (文庫)
遠野物語と遠野物語拾遺を合わせて299話の短編集、一話平均約400字。
遠野物語は、民間信仰、栄枯盛衰、山中での出来事、妖怪、動物、行事、昔話など素朴な話が集められている。みな懐かしい感じがし、お伽やグリム童話といった説話のような説教じみた堅苦しさはない。話からは間接的に当時の人々の考え方や習俗、道徳観が伝わってくる。古今の文化の変化を考えると興味深い。民俗学の重要な史料となっている事も頷ける。 拾遺は題名のごとく残りの雑多なものという感じである。たとえば、当時(明治から昭和初期)の流説も混じっているようである。今で言う「口裂け女」「ターボじじい・ジャンピングばばあ」「こっくりさん」のようなもの。これはこれで当時の風俗を垣間見たようで面白い。あるいは、「先祖伝来の、開けると目がつぶれる箱、なるものを今の代の主人がどうしても見たくて開けたら、布が入っていただけだった。」という話では、近代化に伴い、未知に対する畏怖の消失が現れている様で興味深い。
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