価値観の多様化と製作費の高騰もあってか、近年こそオールスター・キャスト映画が世に出る事は滅多になくなったが、かってはその謳い文句が魅力を放ち、集客力を持つ時代があった。
これは、ノルマンディ作戦、パリ解放と、反攻から連戦連勝を続けていた連合軍が、一転敗地にまみれたマーケットガーデン作戦を完全映画化したもの。そして、ことオールスター映画との括りで言えば、記憶する限り、名実共に屈指の陣容だと思う。
今作の封切り時は高校生、鳴り物入りの超大作との振れこみの割りには地味で冗長な気がしたのだが(事実、興行成績もパッとしなかった筈だ)、見直してみるとこれが意外にも傑作。連合軍とドイツ軍をチェスゲームの様に交互に描いているが、14名ものスターたちを駒の如く動かしながら、実はその他の無名な無数の登場人物たちのドラマと死を見せるのに重きを置いたリチャード・アッテンボローの演出。他にも、ウイリアム・ゴールドマン(脚本)やジェフリー・アンスワース(撮影)らスタッフもオールスター級だ。
空挺部隊のパラシュート降下を長々と撮ったり、橋が、街が、森が破壊し尽されたり、画面を埋め尽くす爆撃機、戦車、兵士、群集と、これ言わずもがなの事だが、CGではない。その壮大な物量作戦は凄いぞ。
映画の真の主役は、当時スター競演の中では格的に最も地味だったアンソニー・ホプキンス、他にも総じて英俳優たちが印象的。
そして、ジョン・アスティンによる勇壮なマーチ、昔も今も耳に残ります。