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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
鮮やかに描き出す12編の「人生スケッチ」,
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レビュー対象商品: 遠くの声に耳を澄ませて (単行本)
今、最も注目される作家の一人、宮下奈都さんの「短編集」。それぞれ異なる人物を主人公とした12編の短編集と言うことで「スコーレNo.4」や近作「よろこびの歌」で読み手を唸らせた緻密な構成の妙はここにはありません。 それでも各編にはそれぞれの主人公たちの苦悩と葛藤、そしてささやかな喜びやほのかな希望が丁寧に描写されていてつい引き込まれます。 各編は大体15p前後なのですが、これは意外と難しいボリュームではないでしょうか。 主人公の思いを描くだけなら持て余す、かといって大きな展開を盛り込むにはスペースが足りない、そんな分量だという気がします。 12編それぞれにアイデアが盛り込まれていて派手さこそありませんがバラエティに富んだ印象。 正直言えば12編全てが粒揃いとは言い難いのですが、そこはさすがに「言葉の料理家」。 主人公の感情の機微を繊細な表現と言葉の選択で描き出しており、読み手はその絶妙な匙加減に舌鼓を打つ他ありません。 だから、やっぱり読んでいて「味わい深い」。 ごちそうさまでした。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
儚げなんだけど、慈しめる12の短編,
By naonao-703 (京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 遠くの声に耳を澄ませて (単行本)
収められている12の短編にこの本のタイトルのものが無い。それを不思議に思いながら読み始めて、4作品目「秋の転校生」からあることが頭をよぎり、残り登場人物に気を付けながら読んだので読書に費やした時間はかかったものの、本そのものをとても味わって読むことが出来た。流れていく12の短編の中で、今を生きている主人公たちが想いをはせる人たちの顔や声に併せて、断片的に出てくる人たちの人生が織り重なり、儚げなんだけど慈しめる本に仕上がっている。 個人的には一度も主人公ではないマンション管理人濱岡さんが入院してしまったけど、昔恋をした女性との旅と、没頭して研究者であった過去など、人生が映る箇所に魅入られました。
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最初からもう一度読み直したくなりました,
By 白い象 (京都府京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 遠くの声に耳を澄ませて (単行本)
素晴らしい短編集です。前作の「スコーレNo.4」が出色の出来だったので、期待を込めて読みました。「スコーレNo.4」のゆったりと流れるような時間が、短編だとどうなふうに描かれるのだろうと思いましたが、これが非常によくできていて、短編集なのにまるで長編のように読めるのです。12話が少しずつ少しずつ重なっていく。それがゆるやかで自然で、一冊を読み終える頃には登場人物たちがとてもいとしく感じられました。そして、もう一度最初から読み直したくなるのです。二度目に読むと、また違った物語が立ち上がるようでした。
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