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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イタリアの奥がわかる必見の本です,
By ジャスミン (東京都町田市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 違和感のイタリア―人文学的観察記 (単行本)
イタリアに興味のある人には是非お薦めの本です。トリノ大学の教授である著者の30年の経験を生かし、イタリアの教育、フィアット、ムッソリーニ、マフィアなどについて、独自の視点で語っています。とはいっても、興味本位だけではなく、きちんと歴史的背景を踏まえ追求しているために読み応えがあります。たくさんのコラムも一つ一つが楽しく、知らなかったイタリアの側面を見ることができます。学術書的な要素を多く含みながらも、教育に関心のある人、フィアットに興味のある人、歴史に興味のある人、イタリアに興味のある人などには楽しめる本です。また、この本を読むと、イタリアという国の成り立ち、複雑性もわかり、第二次世界大戦の敗戦国ではあるのに、ドイツ、日本とは違う生き残り方をした国だということもよくわかります。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
驚きと発見,
By
レビュー対象商品: 違和感のイタリア―人文学的観察記 (単行本)
イタリア在住長きに渡る著者による本書は多面的、総合的にイタリアとは何かについてできるだけフェアでフラットな視点から記述されていると思います。カトリックを生活の根底におき地域住民によるコミュニティ活動が大変盛んであることや、現代の貴族の地位、イタリア人の生活の中の美学など、そして外から垣間見るだけでは理解の及ばないマフィアのこと、大変参考になりました。 文章が平明で綺麗なので読みやすく、数字を列挙されても自然に理解していけます。 現代イタリアの生きた知識のひとつとして、また面白い読み物としてとても好きな一冊です。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多数の事例からイタリアを読み解く、良書です,
By こと (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 違和感のイタリア―人文学的観察記 (単行本)
初めて読書レビューを投稿いたします。いずれイタリアに小旅行をと考えている者です。本書は昨年の暮れに「週刊朝日」で絶賛されていましたが、読んでみると期待以上です。 本書は、多数の事例をあげながらイタリアという国の原点を見つめた内容です。特に、イタリアの教育が、物事を多面的に捉えることに主眼をおく姿勢が徹底しているさまは素晴らしいと感じました。たとえば、ある小・中学校の「国語」の授業で『アンネの日記』を読んでいる時、同時期に「歴史」では第二次世界大戦について学び、「地理」ではアンネが隠れていた街のことを調べさせ、「数学」では戦争当時の街の子ども数や男女比、レジスタンスとして闘ったイタリア人の数と割合を計算したり、イタリアからアンネのいた街までの距離や時間を当時の汽車のスピードで計算させる、というような総合学習が行われているそうで、非常におもしろい教育のあり方だと思いました。 冒頭で紹介されるスピーチの名人(ピンチヒッターで司会をやってのけた人物)の話からも、こうした総合学習が、「イタリアの教育のすべて」ではないにせよ、「イタリア的」な教育理念を体現したものということが分かりました。 後半の、フィアット社を扱った章も良かったです。フィアット社がどのようにしてあの巨大企業になったのかについて書いてあるのですが、とくに興味をひかれたのは、戦後すぐの頃のフィアット社について。日本でも闇市の広がるこの時代、イタリアでも同様に物資不足で、全人口のなんと三分の一が職を求めて南から北に大移動したそうですが、そのうちの大勢がフィアットのあるトリノに押し寄せ、工員たちは住む家もなく、一部屋に一〇人が転げ込み、交替でベッドを使うという状態で、路頭に迷う者も多かったそうです。 そんな中、当時のフィアットをひきいていたヴァッレッタという人物、できる限りの労働者を雇い入れて、仕事を与えられるような体制を作っていったそうで、このシステムは当時の実状にあっており、工場はどんどん軌道に乗っていったそうです。結局はその後の時代が変わり、フィアット社が近代化した企業となりゆくにあたってこのシステムは全面的に見直されたそうですが、時代にあった雇用体系を考えるうえで、たいへん参考になりました。 また、時おり挟まれるコラムも飽きずに読みました。「スローフード運動の原点」のコラムでは、イタリアが伝統的に継承してきたチーズ・サラミ製法が、EU統合によるEU市場の統一規格化によって、事実上すべて禁止されてしまう危機的状況におちいったことが紹介されていました。結局、イタリアのチーズ・サラミ業界が地域の特産品という特別扱いをEUに認めさせたそうですが、これは素晴らしいと感じます。 食品分野においても、他の教育などの分野においても、統一化ではなく、多様を多様のまま認める方向に向かうことが主流になることを願う一人として、これには勇気づけられました。
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