内容(「BOOK」データベースより)
幼時から許婚のような間柄である貞吉は、妙な絵ばかり描いている甲斐性のない男にみえた。お綾は貞吉に心を寄せながらも他家に嫁ぐ。貧しくとも、真心を尽くして生きた男の生涯(今東光『清貧の賦』)。世の明るさを一身に集めたような恋は突然、終わった。香気溢れる悲恋の調べ(北村透谷『星夜』)。戊辰戦争に敗れた会津藩士の子・荘十郎は、各地を転々としながら、姿の見えぬ「敵」に長刀をふりかざす(田宮虎彦『霧の中』)。激動期の日本、辛苦と哀しみに耐えつつ歩いた庶民の長い道のり。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
今 東光
1898‐1977。横浜生まれ。第六次『新思潮』に参加し、新感覚派の作家として世に出た後、1930年僧籍に入って一次文学を離れたが、57年に『お吟さま』で直木賞を受賞。歯に衣着せぬ毒舌でも人気を博した
北村 透谷
1868‐1894。小田原生まれ。本名・門太郎。早くから政治家を志して自由民権運動に参加。その後、政治を離れて文学に転じ、島崎藤村らに大きな影響を与えたが、25歳で自ら命を絶った。代表作に長詩『楚因之詩』、劇詩『蓬莱曲』など
田宮 虎彦
1911‐1988。東京生まれ。東京帝国大学在学中から創作活動を行い、1936年「人民文庫」の創刊に参加。その後、さまざまな職を転々とし、47年の『霧の中』で注目され作家生活に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)