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道徳を基礎づける―孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ (講談社現代新書)
 
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道徳を基礎づける―孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ (講談社現代新書) [新書]

フランソワ ジュリアン , Francois Jullien , 中島 隆博 , 志野 好伸
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

現代フランス思想のトップランナーが仕かける孟子と啓蒙哲学者の対話

井戸に落ちそうになった子供を助けようとするのはなぜか――。
誰にでもある経験を起点に、カント、ルソーや孟子を比較検証。洋の東西を軽々と超える、現在フランス哲学の俊秀の快著。

ある王の逸話――謁見の儀の折、1頭の牛が供犠のために引き連れられて横切ってゆくのを、王が目にしたときのことである。処刑場に引き立てられる無辜の民にも似た、この動物の怯えた様子に忍びず、王は牛を放すように命じた。
その時、家臣たちが尋ねた。「犠牲をやめるべきでしょうか」。王は答えた。「それはできない。この牛に代えて羊を用いよ」。……
王は、怖じけづいた1頭を自分の目で見てしまった。その怯えは彼の目の前に不意に出現したので、心の準備をしておくこともできなかったのだ。ところが、もう一方の動物の運命は、彼にとっては観念にすぎなかった。……
王は苦しんでいるものを「目のあたりにすること」に「忍び」なかった。彼は他者――それが動物でさえも――の運命に無関心ではいられなかったのである。――(本書より)

内容(「BOOK」データベースより)

井戸に落ちそうになった子供を助けようとするのはなぜか―。誰にでもある経験を起点に、カント、ルソーや孟子を比較検証。洋の東西を軽々と超える、現代フランス哲学の俊秀の快著。

登録情報

  • 新書: 306ページ
  • 出版社: 講談社 (2002/06)
  • ISBN-10: 406149614X
  • ISBN-13: 978-4061496149
  • 発売日: 2002/06
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 522,069位 (本のベストセラーを見る)
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形式:新書
ルソーの「憐れみ」について、小生はいささか疑念を抱いてきた。ルソーの「憐れみ」とは何か? ルソーにとって大切なのは「他者」ではない。「他者を憐れんでいる自分自身」ではないのだろうか?

ジュリアンは、ヨーロッパの思想と孟子の思想とをつき合わせることで、啓蒙思想における他者観の欺瞞を暴いている。性善説が必ずしも正しいとは思わないが、西洋的な倫理観を見直す上で新鮮な視座を与えてくれるし、また自律とか主体といったものに対して別の見方を提示してくれている。

また本書の訳者はエマニュエル・レヴィナスの思想の有効性を問うている。すなわち、他者に対して否応なく接しなくてはならない、そんな人間のあり方を問うているのである。

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形式:新書
フランソワ・ジュリアンはキリスト教世界において、神学あるいは形而上学という形で古代から中世まで秩序付けられていた道徳が、18世紀にルソーによって覆されることを示し、次のように述べています。

  「今日、道徳は、どうしようもなく疑わしく見えるのである。なぜなら道徳は、カントが主張したように自由と手を携えるのではなく、抑圧的であるからだ。ニーチェの言い方では「畜群」による専制が問題である。また、マルクスの言い方では、反対に、有産階級による大衆支配が問題であり、さらに、フロイトの言い方では、超自我を通じて文明の感化を受けることから生じる欲求不満が問題である」、と。

そしてこの道徳の問題を考える糸口として、インド=ヨーロッパ言語とはまったく異なる極東の中国の、しかも紀元前4世紀の『孟子』に着目するのです。先に、「立命」の意味を探るために『孟子』の内容に言及しました。そこでは「仁」が問題とされています。私は「仁」とは「温かい心」だと解釈しましたが、この本では「憐れみ」だと表現しています。

 子供が井戸に落ちようとしていると、誰もが手を差し伸べたくなる、と『孟子』には書いてあるのですが、これは東西を問わない感情だということを踏まえ、ルソーが、「蜂蜜物語」(外で一匹の獰猛な獣が母の胸から子供を奪い取るのを目にする囚人という、悲壮な情景)に憐れみを感じた人物は、この出来事に対して「いかなる個人的利害関心」も持っていない、ことを指摘したことを述べています。こうした根源的な心の広がり、「人間らしさ」をルソーは問題にしたわけです。
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16 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
感動しました 2003/7/26
By カスタマー
形式:新書
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