ロシア管弦楽曲集と銘打ったアルバムに、3番目のチャイコフスキー「イタリア奇想曲」と最後のリムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」は、しばしば収録されますが、最初のハチャトゥリアン「仮面舞踏会」組曲と2番目のカバレフスキー「道化師」組曲は、あまり収録されているのを見たことがありません。 ハチャトゥリアン「仮面舞踏会」組曲は、1曲目のワルツが、フィギュア-スケートの浅田真央選手のSPの曲として、バンクーバー五輪などで使われていたことから、曲の存在を知った人がかなり多いのではないでしょうか。(ワルツは、美輪明宏氏の舞台『黒蜥蜴』でも流れる曲だということです。)ただ、組曲全体が通して演奏されることは、あまりないと思います。 カバレフスキーの「道化師」組曲も、2曲目のギャロップは、運動会の定番曲として誰もが聴いているはずですが、これも、組曲全体が通して演奏されることは、殆どないでしょう。 そういう意味では、なかなか希少なアルバムで、アルバム全体の構成(流れ)もすばらしいと思います。そしてこれを聴くと、「仮面舞踏会」と「道化師」、ともに変化に富んで楽しい、隠れた名曲であることが分かるでしょう。 キリル・コンドラシンは、モスクワ生まれの名指揮者です。旧ソ連時代の1970年代末、西側に亡命、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者に就任して、そんなに経たないうちに逝去しました。 1958年のステレオ録音のリマスターで、半世紀以上経過しているため、音質は全体として硬質、時に金管がトゲトゲしく聴こえますが、演奏自体は優れているので、目を瞑りましょう。