石田ゆうすけさんの本はすべて読んでいますが、本書はあの7年半に及ぶ自転車世界一周の旅のその後、そこそこの年頃を向かえ、日本を省みて、自転車でちょっとした小旅行をした人のふれあいエッセイです。
ただ、沖縄方面、八丈島方面、北海道といった辺境とまではいえませんが遠方への旅もあります。
本書は、自転車世界一周の旅を語った初めての出版「行かずに死ねるか!」に比較してみると、文章力はしっかりとしており、ものの見方を美的に捉え描写できるように工夫の跡が見られます。
世界一周をした若きあのころからすでに年月が経ち、おじさんといえる年ごろになられたと思いますが、いつまで経っても青春時代の名残りに尾を引いて離れられない姿が散見されます。
まあ別の面では、素直でない、クセのある、こだわりのある人生。。。それもいいのかもしれません。
その土地の名物料理を求めて小旅行をし、味わった様子を読者が想像しやすい形でうまく表現していますが、評判の店が期待どおりではなかった場合に、店名を出して”(極端に言えば)まずい”と批判するのは出版本としては、その”倫理”が疑われると思いますので、意図があるのであればもう少し説明が必要であり、著者はもちろんのこと出版社もよく確認しておくべきことかもしれません。旅館にしても名前は出していませんが、ちょっと調べればすぐ分かると思います。
それと世界一周の達成のもと講演をしたりと、唯我独尊になっているのではないか、本書を読んでみると、人を素直に信じるきもちが遠ざかり、一方では疑念を抱くきもちが近くにあるのではないかと思います。
もう一度、あのころの原点に戻って、ピュアなこころにリフレッシュしてみてほしいですね。読者はそう願います。