レビューア自身の理解と解釈により再構成したものを、一つご紹介いたします。本書に出会うための一つのきっかけにしていただけたらと思います。
【したたかに考え、行動せよ。自分と家族の命を守ること。】
(1)まじめに几帳面に、強い責任感をもって一生懸命に仕事をする、このことは確かに大切で価値のあることだ。しかし、大きな時代の流れとその中に置かれた企業の厳しい状況の中で、自分で自分の命を守ってゆくためには、会社の論理の正当性を疑って、企業の実態を見極め、場合によってはしたたかにウソをついたり、逃げたりすることも必要である。これは、手放してはいけない武器である。
(2)人間の命と健康は、同僚や上司、取引先への義理を守ることよりも、はるかに尊い価値を持っている。現実には、風邪をひいているのに無理をして働くことが、高く評価されるような風潮が、根強く残っている。そして、健康を第一に行動すると「自分勝手」という評価を受けてしまうことが多い。しかし、人間の命と健康の大切さを、よく考えてみること。
(3)もし本当に、あなたの職場が人員と時間に余裕がない環境であり、それが個人で解決できる問題の範囲を超えているのならば、自分をギリギリまで追いつめてしまう前に、休暇を取得すること。もしかしたら、大事なときにあなたが欠勤したことにより、職場に大きな混乱が発生してしまうかもしれない。また、一時的には職場での反感を呼び、あなたの評価も下がってしまうかもしれない。しかし、このことであなたの命は守られ、また職場の中の矛盾を顕在化させたことにより、あなたの事例が職場の環境を変え、多くの人を救うきっかけになるかもしれない。
(川人博(1949-))
※注意:明示的に引用している場合以外は、すべて「未来のための哲学講座」主宰者の理解と解釈により再構成した内容です。