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なぜに成一とその従妹の佐枝子の視点の2つがあるのか、
という部分は新本格ファンならいろいろ勘ぐってしまうところですが、
そう来たか…と良い意味で~~裏切られるラストになっています。
割と大きな仕掛けですが、伏線もちゃんとありますし、
丹誠に仕上げられているので“アンフェア”感はなく、気持ち良く騙されました。~
前作同様にさわやかでいて面白く、推理小説としてもよくできており、読み応え十分の長編だった。不可能犯罪の連発という贅沢な物語の中に、どこか救いのあるテイストはこの著者の持ち味らしく、重くならずに楽しめた。トリックも、ものすごく新しいとか鮮やかとはいう言葉は当たらないにしていても、よく考え抜かれていて自然にはまっている。
今回も先輩は、一旦頼まれるや当の後輩も辟易するほど張り切りまくり。後輩の祖父が密室そ!れ!!も周囲に足跡もない離れで殺され、続いて、彼の霊を呼び出そうとしていた霊媒師も、降霊会の最中に殺される。といっても、猫丸先輩は、冒頭で強烈にいつものごとく後輩に毒舌をふるって以後は、最後の謎解きまでは電話や短い会合でしか登場しない。じらされて一気に読んでしまう。
本当のところ猫丸先輩は何を考えて生きているのやら、周囲の人間にもまるでわからない。自分自身の中にも誰も入り込ませない・・・
結局のところ、一貫しない趣味にアルバイト、何にでも首を突っ込む好奇心、怖ろしいまでのアクの強さ・・・猫丸先輩という人は、誰よりも自分自身という人間を、とてつもなく面白がっているのかもしれない。
続く短編集も、大変に面白い。おすすめ。
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