男としてとても 「痛い」 作品です。 リチャード・ギア扮するエドワードの気持ちを考え 立場を重ねたら苦しくて 辛くて 痛くて堪らなくなります。 偶然か必然か ある日些細なキッカケで見知らぬ男と女が出会う。 互いに魅かれ合う 2人。 愛する妻が若い男と密会を繰り返し美しくなっていく中 不審に思う夫に無情にも突きつけられる残酷な事実。 この物語の怖いところは実際に現実の生活において起こりえる題材である事です。 事件にならずとも日常で普通にありえる話ではないでしょうか。 主人公の夫婦は 11年目にして仲の良い 2人。 もうすぐ 9歳になる 1人息子と暮らす幸せな家族。 私達の暮らす この世界にありふれたシュチュエーションです。 ある日 ある時刻 あるタイミングでその幸せに翳りが差し込み始める。 日々と共に翳りは大きくなり 夫婦の世界を覆っていく。 「私に限って・・・」 そう考える真面目な人ほど 逸れだしたら落ちるのは早い。 誘惑と自尊心 裏切りと女心 肉体の快楽と精神的な欲求 「妻」 である自分と 「女」 である自分との葛藤。 エドワードの妻、 コニー演じるダイアン・レインは 見事にそれを表現、 体現している。 貞淑な妻の顔 恋する少女のような顔 嫉妬に狂う女の顔・・・ ここではリチャード・ギアの身を切られるような切ない演技も 彼女の素晴らしい演技力には敵わない。 それはこの作品で彼女だけが ”ゴールデンサテライト賞” ”ナショナル・ソサエティ映画評論家賞” ”ニューヨーク映画評論家サークル賞” の最優秀主演女優賞を獲得した事で証明されている。 私は男だから どうしてもエドワードに感情移入してしまうが 幸せな状況下にありながらも恋に落ちて苦しむコニーの気持ちも分かる気がします。 せめて夫がダメな奴や極悪人なら まだマシだっただろうに。 作品中の数々のエピソードの中で事件のキッカケになるところがあるのですが ・・・キツイですね。 私も同じ事をしてしまうかもしれません。 男と女の事件なんて その一瞬の激高した感情が起こす突発的なものだと思うのです。 その先の事も後悔もその瞬間には存在していないのでしょう。 冒頭で述べた 「あるタイミング」 はこの辺にも残念なすれ違いとして現れます。 最後の方でコニーが あの出会いがこうであったなら・・・ と思い浮かべるシーンがあるのですが 私はそこで泣き、 そこが物語のすべてだと感じました。 この世界で最大のテーマ 「男」 と 「女」 それを扱うエイドリアン・ライン監督の作品中、 この物語は身近に感じる内容だけに考えさせられる 1枚です。