登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
ファンだが残念,
By
レビュー対象商品: 運命の人(一) (単行本)
最初に言うが山崎豊子ファンです。 ですが一番残念な作品です。 やはり彼女は元記者だけあって、マスコミに対する考えに偏りがあると思う。尤も私自信もインターネット世代であるがゆえのマスコミに対する考えの偏りはあると思う。 マスコミにはほぼ悪いイメージしかない。だがそれらを割り引いても良い作品ではない。主人公の弓成は記者である前に父であり、夫である。記者として夢破れ、落ち込むのは構わない。 だがそこからが問題だ。 世捨て人のようになり、家族を捨て、後は野となれ山となれ・・・ではまるで主人公に魅力はない。 自分だけが可哀相で被害者なのだ。 自分の事>家族・・・これが彼の中では成り立っている。 それも一個人の考えとしては良い。だがそれなら家族など持ってはいけない。 最初から仕事のみに生き、仕事のみに死ねばよく、独身を通せばよいことである。そんな人間が社会正義だ知る権利だと言っても空々しいだけである。 とにかく『ダメな人』がたくさん出てくる。不倫相手の弓成に軽々しく極秘資料を渡した事務員の女も仕事への責任感が欠落しており、同情の余地はない。 弓成は『キミに迷惑は絶対かけない!』と約束したにも関わらず、その原本を社会党議員に直接渡しており、これも責任感ゼロ。 野党議員がどれだけいい加減かは私でも知っている。それを政治部記者のベテランが『知らなかった』などとは信じられない。 そもそも政治には『清濁併せ呑む』老獪さが必要であり、『無能な善人』では交渉など不可能である。 一つ踏み込んで欲しかったのが、『知る権利が国益に反する時』である。 これが全く語られていない。 その時記者はどうするのか? 私はこの時は沖縄返還こそが最優先だったと思う。そのためなら僅かな肩代わりなどどうでも良い。 北朝鮮が拉致被害者を返した時、何の裏取引もなかったと思っている人は誰もいないだろう。 同じである。 このような点が作中では全く語られておらず、とにかくマスコミの報道の自由は金科玉条のものとして扱われているのが愉快ではない。 山崎豊子も元はマスコミなので、報道の自由に対しては信仰にも近い思いがあるのかもしれない。 実に残念な作品。
37 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
5巻を書かんかい!,
By
レビュー対象商品: 運命の人(一) (単行本)
もっとも山崎豊子らしい作品かもしれない。題材としているのは西山事件。ジャーナリズムのあり方が司法の場に及んだ特異な事件であり、故に、ジャーナリズムのあり方が多方面から考察された事件。それに情事、人間ドラマが絡むのだから、山崎にとってこれほどの題材はないはずだ。なんてったって、西山は山崎と同業の新聞記者。それも、同じ毎日新聞。華麗なる一族ほど現実からかけ離れているわけでもなく、沈まぬ太陽ほどには主人公に肩入れされているわけではないので、ノンフィクションとして歴史を回顧しながら、ジャーナリズムについて再考するには良書であると評価できる。 しかし、難点は西山の沖縄時代で終わっていること。西山は2005年に国家賠償請求訴訟を提起し、控訴、上告した。それも棄却されると2008年には外務省と財務省に対して外交文書の情報公開を求めている。 つまり、西山事件は少なくとも西山の中では終わっていないのだ。にもかかわらず、この辺りについては語られることなく、西山の沖縄での生活で話は終わっている。戦後の沖縄で何が起こったかを国民が知ることは重要だが、それを書いた本は他にたくさんある。山崎豊子には現在に至るまでの西山事件の本質と西山の執念とその真意、また、これらを取り巻く人間ドラマを追求して欲しかった。
19 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
山崎豊子としては残念な作品,
By
レビュー対象商品: 運命の人(一) (文春文庫) (文庫)
外務省機密文書漏洩事件の西山記者をモデルにした弓成亮太は,傲慢でありながら仕事は一流で,上昇志向が人一倍強いという,あくの強いキャラクターとして描かれていた。『白い巨塔』の財前教授と全く同一パターンであり,これはこれで(人間的な好き嫌いは別として)魅力的な人物像である。しかし,機密文書を入手するため(本書では真実の愛情であったかのように描かれていたが),外務省事務官であり,人妻でもあった女性(三木昭子)と寝,その文書を義憤に駆られてとはいえ政治家に手渡したという弓成の行動は,おそらく正義とは言い難いし,「取材の自由」の旗手としてふさわしい人物ではなかろう。また,自分は権力にはめられたと被害者意識を強くするだけで,妻やその実家に対して自分の行動を謝罪しようともしないというのも,同情すべき姿とは言い難い。 更に,女性事務官である三木を,「男に飢えていたために弓成と愛を交わし,任意に機密文書を交付したのに,嘘を付いて被害者面し,不当に弓成を陥れた」不届きな女性と描いているのも,どんなものか。三木の人物像が非常に平面的なものにしか描写されていなかったように感じた。 『白い巨塔』のころのような,主人公を巡る人々のさまざまな立場・思惑を多重的に描写する重厚さが見られず,再読したいという気持ちにはさせてくれない作品であった。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|