第一巻〜三巻までは、1972年の沖縄返還協定の外務省
機密文章漏洩の問題で、新聞記者・弓成亮太が有罪確定
するまでのストーリー展開で、国家権力によって追いやら
れる新聞記者の過酷な生涯が中心であった。
第四巻は、元新聞記者である弓成亮太が、あてもなく彷徨し、
沖縄に辿り着くところから、ストーリーが始まる。
沖縄で、ひとりの中学校教頭に出会うことで、さまざまな
「生きる力強さ」に触れて、ジャーナリストとしての使命感
と情熱が戻ってくるのである。
沖縄の復興と「人間の強さ」を同時進行して表現する著者・
山崎先生の独自な世界である。
特に「ヌチドゥ宝」の章は、戦時中に日本政府が沖縄を見捨て
た事と、弓成氏自身の十数年前の記者人生を重ねて、生きて
いるからこそと、再び立ち上がろうとする姿を描いている。
沖縄が背負う運命が、「弓成亮太」の生き様そのものと変化
してゆくのである。
どこまでも透き通る青い海に、住民に宿る基地問題という
黒く縁取られた事実。
「沖縄を忘れてはいけない。」山崎先生は、この第四巻に
沖縄の悲痛なメッセージを代弁して、残してくれたのだと、
最終ページを読み終えた。
大きな感動と日本人のこころに大きなインパクトを与える、
ほんとうに充実の一冊である。