『運のいい人』と『運の悪い人』の差は何に起因するのか?
多くの人が抱くこの疑問を、マジシャンから心理学者になったという稀有な経歴を有する著者が、
数百人を対象としたアンケートや実験を通じて解明しようとした研究の
初期の結果をまとめたものが本書である。
本書によれば、『運のいい人』『運の悪い人』の間で顕著に異なるのは考え方や言動であり、その結果として、
例えば、『運のいい人』は積極的・社交的なために必然的にチャンスに巡り合う機会も多い、
『運の悪い人』が見落としがちなチャンスを『運のいい人』は逃さずきちんとモノにできる、
ピンチはうまくかわすか、仮に遭遇しても致命傷を受けない、またはチャンスに転じることができる、
という傾向がみられることが明らかになった。
本書で述べられている結果は、我々が身近に目にする『運のいい人』『運の悪い人』の傾向とよく一致する。
多人数を対象としたアンケートや実験が示した結果であるから、これは当然とも言える。
本書が示す結論は、必ずしも目新しいものばかりではなく、似た主旨を読者に勧める著者・著書は他にもある。
しかし、統計的なデータを基にこれらの結果を示し、「運は考え方と行動を変えれば好転する」と結論した上で、
著者の指導により実際に運を好転させた複数の事例を示す本書は、客観性において他書と一線を画している。
自ら起業した会社を大企業に育て上げた創業者社長による経験則的な本と比べて、
より体系的・実践的、かつ説得力を感じる。